施設訪問記 老犬介護ホームさわやか
2018.05.13 (老犬ケア)
福岡県直方市にある「老犬介護ホームさわやか」へ訪問し、代表の高岡さんにお話をお伺いしてきました。
元乗馬クラブだったという 3,000 坪の広大な敷地に、訓練用施設、ペットホテル、老犬ホームが区分けして併設され、運動場もそれぞれ完備しています。畑では、犬用の野菜も栽培されているそうです。
高岡さんは、ご自身を普通の愛犬家だとおっしゃいます。
約20年前、愛犬のシェパードの品評会でドイツを訪れた際に、冷暖房完備の清潔な犬舎と広い運動場で犬達が元気に自由にのびのびと生活している様子にとても感激したのだそうです。日本にも、大型犬が自由に過ごせて才能を伸ばせるような訓練施設があればよいが、なかなか難しいだろうと考えていたそうです。
数年後、愛犬との散歩中に偶然、今、施設がある土地が売りに出ていることを知り、一念発起。訓練施設を開業し、高岡さんの思い描いていたことが現実となりました。
いざ訓練施設を開業してみると、ペットホテルを利用したいという飼い主さんや、訓練所を使用していた飼い主さんが、ご高齢となり高齢者福祉施設などに入所することになり「最期まで面倒をみて欲しい」と依頼されるケースが増えたのだそうです。
「他の飼い主さんや、お預かりしている犬達の為にも、できることは何でもトライしてみようと思ったのです。」と高岡さんはおっしゃいます。
そこで、訓練施設と併設して、ペットホテルやトリミングサロン、そして老犬ホームを始められました。
施設は冷暖房完備、動物特有の匂いもなく、とても清潔です。スタッフの方々は、敷地内にある寮に寝泊まりし、トレーニングや老犬の介護に尽力されています。15頭いる老犬は、月に 1 、 2回はシャンプーをし、いつも清潔な状態にケアされ、寝たきりの犬も、床ずれができないように介護していらっしゃるそうです。
高岡さんは、長年のご経験からたくさんのノウハウをお持ちです。
「老犬も人間と同じです。老化防止のためのトレーニングも有効です。それぞれに合った食事を与え、排便をこまめにチェックすることで、老犬が快適に過ごせるように工夫しています。最近では、認知症を発症したとしても、集団生活をしていると症状の進行を遅らせることができるという症状報告もあります。そのため施設では、個別の居室と併せて、共同生活をする部屋を設けています。実際に当施設で寝たきりとなり、介護が必要だった老犬が、敷物など居室内を整え体位変換などのケアを施したことによって、ご自宅にいた時よりも状態が改善し、介護が必要なくなったという子もいます。」
「どの子もお預かりしたからには、寿命を全うするまで、幸せに暮らしていけるように、飼い主様に代わって大切にお世話をしたいと思っています。」
とお話してくださいました。
のびのびと過ごす犬達の様子を見学しながら、高岡さんは普通の愛犬家ではなく、情熱のある愛犬家のおひとりなのだと感じました。
老犬たちは清潔な環境で、高岡さんの長年のご経験に基づく行き届いたケアを受けながら、幸せに暮らしていけるでしょう。
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