老犬の運動不足と太り過ぎに注意
2018.06.20 (老犬ケア)
外はすっきりしないお天気が続き、なかなかお散歩に出られないこの時期。いつもはアクティブな老犬たちも、退屈しているのではないでしょうか。こんな時期が1か月も続くと、気になってくるのが運動不足からくる体重の増加です。運動しなくても食欲は変わらないとなると、代謝の落ちている老犬にとっては太り過ぎと体調の変化が起きやすくなります。
理想体重を数字で示すのは難しく、同じ犬種であっても体長や体高の違いによって、体重は大きく違ってくるので、犬種別の体重表が当てはまらないケースもよくあります。本などに書かれている標準体重を参考にするよりは、愛犬にとって何キロがベストなのかを知っておく必要があります。
愛犬の適正体型としては、いくつかのチェック項目があります。(肥満チェック)
・犬を背中側から見て、お腹よりやや後方(ウェスト)に軽いくびれはあるか
・真横から見て、お腹下腹部が吊り上がっているか
・お腹上部を触った時に、肋骨に触れることができるか
上記に当てはまっていれば、おおよそ理想体重の状態です。さらに体調もよく、良い状態のうんちが1日2~3回しっかり出ていれば、その時の体重を控えておきましょう。肋骨が浮き出たように見える場合はやせ過ぎということもあるので、食事量が適正か、食欲が落ちていないか、病気が隠れていないか、必要であれば病院を受診しましょう。
肥満体型だと、体全体がむっちりした感じで、脂肪が邪魔をして肋骨に触れることができません。背骨周りやお尻にも脂肪がついているとダイエットにも時間がかかることがあります。
犬が肥満傾向にあると、筋力と体重のバランスが崩れて関節を痛め、歩き方にも変化がでてしまいます。痛みがでると、立つことや歩くことを嫌がって、ますます運動不足になりがちです。また、内臓脂肪も増え、心臓病や慢性疾患、人間と同じように糖尿病などの生活習慣病が表れることもあります。
肥満に気づいたら、ダイエットより前に、生活習慣を見直しましょう。急激なダイエットは老犬のストレスにつながり、体調に影響を与えることがあるので、慎重に行う必要があります。
・おやつの量を見直す
・毎日の運動を心がける。外に散歩に出られない日は、室内でもできる運動や遊びをする
・食事を数回に分ける(1日にあげる食事量は変えずに)
まず、おやつを減らしてみましょう。家族がどれだけ与えているかわからないという場合は、1日に与えるおやつの量を決めて、ビンなどに入れておきます。その中に入っているおやつが終わったら、それ以上は与えないという家族の約束を守りましょう。食事をしっかりとっている犬にとって、基本的におやつは必要ないものです。愛犬の健康を考え、カロリーの低いものを選び、徐々に量を減らす努力もしていきましょう。
室内運動もいろいろとあります。アクティブな老犬ならおもちゃやボールを使って遊んだり、あまり動かない老犬であれば首輪とリードをつけて、室内で疑似運動を楽しみましょう。たとえば、ペットボトルにお水をいれて倒れないようにして、間隔を空けて並べ、その間をスラロームのようにくねくねと歩いていくと、5分くらいでも軽い運動になります。気分転換にもなるので、愛犬に声をかけながら、楽しんで歩きましょう。
室内では激しい運動はできませんが、滑らないように気をつけながら軽い運動を毎日心がけるだけでも、今までよりも代謝が上がります。
長雨が続く時にはぜひ活用してみてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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