老犬のノミダニ対策
2018.09.10 (老犬ケア)
朝晩は少し涼しくなり、真夏ほど蚊の存在も気にならない季節になってきました。
蚊を介して犬の心臓や肺動脈に寄生する寄生虫が起こす病気であるフィラリアや、ノミダニ対策はいつまで必要なのでしょうか。
老犬の場合「あまり外に行かないから」と予防をしない飼い主もいるようですが、外出しない老犬にも予防が必要です。
その理由をお伝えします。
〇フィラリア対策
蚊は屋外だけでなく室内にも入り込みます。フィラリア抗原陽性の蚊が入り込んでくる可能性もゼロではありません。実際、フィラリアの感染率は低くなっているものの、いまだにフィラリアが原因で亡くなるワンちゃんもいます。
特に室内は温度管理されている分、蚊にとっても快適な温度で、一年中存在できる室温になっています。また、日本の南方にある地域では、冬でも予防対策が必要です。
通常フィラリア対策は「気温14~15℃以上になった月の翌月から、14℃を超えなくなった翌月まで」とされ、蚊を見かけた翌月から開始する方が多いと思います。真冬になればフィラリア予防は不要になりますが、温暖化の影響で期間は長く、地域も広くなっています。北海道でもフィラリア感染が確認されたという報告や、沖縄では一年中予防が必要といわれるようになりました。特に暖冬の年は気を配る必要がありそうです。
フィラリア予防は月1回の駆虫薬で予防できる簡単なものです。外に出ないからと安心することなく、必ず予防するように心がけましょう。
〇ノミダニ対策
フィラリアと同様に、外出しない老犬もノミダニ予防が必要な場合があります。
同居犬や外にでる同居猫もいない場合は、予防は不要と考えられますが、逆に散歩に出かける同居犬や同居猫がいる場合は、その犬猫が外から持ち帰り、室内のカーペットや毛布などに落ちる可能性があるので注意が必要です。
ノミを1匹みつけたら複数いる可能性があるので、しっかりと駆除対策をしましょう。
また、ダニに刺されることで感染する病気があり、先日のニュースでも、野良猫に咬まれて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染し、死亡する例がありました。マダニが媒介する病気として近年知られるようになってきた2014年以降SFTSは毎年60人前後の感染が確認されている恐ろしい病気です。
ノミダニは冬になると活動は低下しますが、13℃程度を超えると活動が活発になります。冬でも暖かな室内に持ち込まれると、活動を続けることができます。また、冬場の屋外でも活動するマダニがいるので、冬だからと言って油断はできません。
最近は、フィラリアとノミダニ予防が一緒にできる便利なお薬もあります。
皮膚に垂らすだけのスポット剤が一般的ですが、垂らした場所を気にして掻いてしまう老犬には、錠剤やチュアブルタイプの経口剤もあるので、老犬の体調や性格に合わせてお薬を選んであげるとよいでしょう。
大切な老犬と家族の健康を守るためにもしっかりと予防を心がけたいですね。
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