施設訪問記 菅原動物病院 老犬&老猫介護ホーム
2018.09.26 (老犬ケア)
宮城県仙台市にある菅原動物病院を訪問し、院長の菅原先生にお話をお伺いしてきました。
1985年に開業し、33年目になる動物病院です。
木のぬくもりが感じられる待合室には、貴重なパンダのはく製が展示されており、長年地域の動物のかかりつけ病院として、大切な動物たちの命を守ってきた菅原院長が優しい笑顔で迎えてくださいました。
動物病院を開業して20年ほど経った頃から、動物の老後も考えるようになって、模索してきたそうです。
そんなある時、長年お付き合いのあった飼い主さんが、高齢となり、老人ホームへ入居する事となったのですが、愛犬の柴犬も高齢のため、ペットホテルでは預かって貰えず、東京で離れて暮らすご家族も住環境から飼育するのが困難な状況であるという相談を受けたそうです。
「長い間、家族として生活をしてきた愛犬と離れて暮らすことは大変つらいことです。生涯責任をもってお預かり出来る施設があれば、最期の時まで穏やかに過ごせるはずだと思い当院内に老犬&老猫介護ホームをオープンしました。」
残念なことに、その柴犬はお預かり後に亡くなってしまったそうですが、預かり中は飼い主さんが時々会いに来られ、飼い主さんと会えた時の柴犬のとてもうれしそうな表情は、今でも忘れることが出来ないそうです。
老犬&老猫介護ホームには、特別養護老人ホームの職員からの、飼っている動物がいるから入居できない方がいるという相談や、社会福祉協議会からの、飼い主さんの病気により、自宅での飼育が難しくなったケースの相談などもあるそうです。
動物病院のため、しっかり健康管理をして、簡易な手術が必要であれば、飼い主さんと相談して行います。治療費も経費に含まれているため安心です。
菅原先生は、どんな病気でも飼い主さんが納得するように説明するのが大切だと考えていらっしゃるそうです。
菅原先生は、1993年には、C.A.P.P.活動を開始されました。Companion Animal Partnership Programの略で、獣医師・ボランティアが主に小動物を各施設へ連れて行き、動物介在療法(AAT)、動物介在活動(AAA)、そして動物介在教育(AAE)を行う活動のことだそうです。(社)日本動物病院福祉協会が立案したもので、人と動物との絆(HAB)を重視した活動のひとつとのこと。ボランティアの方々の協力もあり、C.A.P.P.活動はどんどん発展しています。
老犬ホームにいる犬も、飼い主さんのご要望があれば、C.A.P.P活動に協力してもらっているそうです。
「人も動物も長生きになってきています。動物にとって動物病院は、怖くて嫌なところかもしれませんが、老犬、老猫が健康で長生きできるよう、日常のケアから寝たきりや歩行困難になってしまった際の特別なケアまで、獣医師としてしっかりとサポートしていきたいと考えています。何かお困りのことがあれば気軽にご相談していただきたいと思っています。地域に密着し獣医師として、これからも飼い主さんと動物たちの幸せのために尽力していきたいです。」
とお話してくださいました。
ボランティア精神旺盛な菅原先生のお話をお伺いし、かかりつけの獣医さんの大切さを再認識させていただきました。
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