施設訪問記 ねこセカンドハウスこむぎ
2018.10.07
高知県須崎市にある「ねこセカンドハウスこむぎ」を訪問し、代表の武田さんにお話しをお伺いしてきました。
JR須崎駅近くにあり、ゲストハウス「どうぶつすどまりBOOK」としても営業しています。利用される方の中には、四国遍路に訪れた外国人の方もいらっしゃるそうです。
3階が、猫の終生お預かり施設「ねこセカンドハウスこむぎ」となっています。手作りのキャットウォークに、お預かり中のネコちゃんがのびのびとくつろぐ素敵な空間。店長を務める、猫のこむぎちゃんがお出迎えしてくれました。
武田さんは東京の動物病院で12年間動物看護師として働いていらっしゃいました。「ペットは家族である」という飼い主さんが増える中で、動物たちはどうしても、ヒトより命が短いのが現実です。ペットが病気の時、治らない状態だとわかった時、そして最期に向かうとき、どのように接していけば良いのか、悩む飼い主さんの姿をたくさん見てこられたそうです。そしてこれからは「ペット介護」が必要になると感じ、老犬介護を学び、「老犬介護スペシャリスト」となられました。
そして、2016年の七夕に東京都から高知県へ移住されました。きっかけは不思議なご縁でした。移住前に高知県のとあるバス停で、有名な大杉を管理する清掃のボランティアさんとたまたま話をする機会があり、武田さんが地方への移住を考えていると相談したところ、その方は、保護猫のシェルターを運営している方だったのです。
「高知県は、動物愛護の行政の取り組みに対して、「全国最悪」とか「即日殺処分」などといった話を耳にしたことがあったのですが、行政にもお話を伺いに行き高知県の状況をお聞きしました。私の認識不足の部分もあり、またこれからの課題もお伺いしました。『何か私がお役に立てるかもしれない』これが私が高知県に移住する理由が決まった瞬間でした。」
と、その時のことを振り返ってお話してくださいました。
高知県の豊かな自然とご縁に導かれ、武田さんは高知県で生活を開始。
須崎市にある高知ビジネス専門学校の講師、高知県動物愛護推進委員や、ペットシッターの活動に奔走されます。
そして、再び不思議なご縁に導かれます。
あるおじいさんと出会い、5匹の猫を最後まで看てもらえる場所がほしいという切実な声を聴いたのです。そのおじいさんのご家族の猫なのですが、そのご家族には事情があり、自分の意思を伝えられません。おじいさんは、ご家族の大切な猫たちを生かそうと自分で出来ることを必死にやっていたそうです。
「おじいちゃんも高齢となり、これからのことを考えると不安で眠れないこともある。猫たちが命を終えるまで、大切に預かって貰える場所がほしいというお話を伺い、須崎市にネコの終生預かり施設を作ろうと決めたのです。」
そしてクラウドファンディングなども活用し、2017年12月に「ねこセカンドハウスこむぎ」をオープンされました。
「選択肢を増やしたかったのです。お金を払って最期まで診てもらうという選択肢。さまざまな選択肢が増えれば、飼い主さんも動物も安心して幸せに暮らすことが出来るのではないかと思います。ヒトも猫も同じ動物ですから。」
武田さんは明るくお話してくださいました。
「ペットと共に暮らす」への新しいチャレンジを続ける武田さんの、動物への愛情あふれる施設でした。
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