老犬を静電気から守る
2018.12.25 (老犬ケア)
乾燥する冬は静電気が起きやすく、人も着替えや車に触れる時に慎重になります。静電気は犬にも無縁ではありません。むしろ、フワフワの被毛に覆われている分、静電気がおきやすい生活をしています。冬毛は空気を含んでいますから、愛犬が静電気で不快な思いをしないよう注意してあげたいものです。
「静電気」とは帯電のことをいい、擦れたりこすったりした時に発生し、素材が電気を通さない時に帯電し、溜まった電気が放電される時にパチッときます。
冬の室内はエアコンや暖房器具で空気が乾燥し、静電気が起きやすい環境といえます。また、寒さ対策で洋服を着せると、被毛と服の素材の影響で静電気が起きやすくなります。さらに、足を上げて歩くのが苦手な老犬が足を引きずることや、絨毯や毛布に寝る時に擦れた摩擦で帯電を起こし、飼い主が触れた時にパチッと放電が起きてしまいます。
老犬は静電気が起こる理由がわかりません。「飼い主が触るとパチッと痛い。なんだか怖い」と思われて、触ることを嫌がられると、飼い主としては悲しいですね。さらに、静電気は花粉やホコリを吸着しやすく、皮膚疾患や皮膚トラブルの原因になることもあります。
老犬に健康的に冬を過ごさせるためにも、しっかりと静電気対策をして老犬を守りましょう。
■お部屋の掃除はこまめに
ハウスダストや花粉、細菌は静電気によって引き寄せられ被毛に吸着しやすくなります。掃除をするときは換気をして部屋にホコリが溜めないよう気を配り、空気清浄機などを使って空気を清潔に保ちましょう。ペットベッドやカーペットなども洗えるものは洗濯して、お日様乾燥と殺菌をおすすめします。
■生活用品を冬仕様に
カーテンを化繊素材から木綿素材に変えると静電気が起きにくくなります。ソファーカバーやクッションなども綿素材にすると、リビングで寛いでいる間の静電気発生を防ぐことができます。カーペットとの上に木綿素材のラグなどを置くと、寝転んだ老犬が静電気を溜めにくくなります。飼い主の寝具や洋服などもできるだけ木綿素材にして、体に静電気を溜めないよう気をつけましょう。
■被毛を静電気から守る
老犬はブラッシングや洋服を着ていると静電気が発生しやすく、帯電してしまいます。ブラッシングの時は静電気防止効果のあるスプレーを利用して、被毛を保湿させることが効果的です。シャンプーの時はリンスを使って保湿を心がけましょう。また、老犬の洋服は綿や羊毛素材を選び、ポリエステルなど静電気の起きやすい素材を避けます。洗濯する時は柔軟剤を使って静電気を予防します。
■室内には適度な湿度を
乾燥した室内では湿度20%を切ると静電気が起きやすくなります。加湿器を利用して湿度を保ち、室内の乾燥に気をつけます。保湿された状態ではウィルスの活動が抑えられ、飼い主にとっても風邪予防になります。室内にタオルをかけて、乾いたら霧吹きで水をスプレーすると、乾燥度合いに合わせて簡単に保湿ができて便利です。
■まとめ
人にとっても不快な静電気。老犬も飼い主も快適に過ごせるよう、さまざまな工夫をして静電気ストレスのない冬を過ごしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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