老犬の体重を増やしたい時の対処法
2019.09.18 (老犬ケア)
9月に入り、風の涼しさを感じられるようになりました。暑さも一段落でホッとしている飼い主も多いことかと思います。これから寒さに向けた準備をしていきたいところですが、気になるのは老犬の体調管理です。
暑さや夏バテで食欲が落ち、体重が減ってしまった老犬も、寒さが厳しくなる前にベストコンディションの体重まで回復しておきたいところです。
痩せるダイエット法は何度かご紹介しましたが、今回は体重を増やす方法をまとめてみました。
■体重が減った原因を把握する
体重が減ったと感じた時、その原因をはっきりと把握しておきましょう。食事量が減ったのか、体調が悪いのかを把握するためには日ごろの愛犬チェックが重要になります。
食事量は与えたうちのどのくらい残しているのかをgで把握し、飲水量、ウンチやおしっこの回数、ウンチの色や量など、日々飼い主にしかできない体調の変化に目を向けます。
獣医師の健康診断を受けるのも良いでしょう。体重減少には病気が隠れていることも多くあるので、原因を夏バテに限定せず、獣医師に相談することで病気の早期発見につながります。
■獣医から「体重を増やそう」と言われた場合
病気でないことがわかったら、日常生活の中で健康的な体重まで増やす努力をします。
まずはベストコンディションから何キロ減っているか正確に把握します。仮に10kgの犬が1kg減っていたとすると、1割の減少ですから、人に換算すると50kgの人が5kg減少ということになります。500gでも2.5kgなので数か月でだいぶ減ってしまったといえます。
「体重を増やす」と考えたとき、単純にご飯を増やしてたくさん食べればよいのでは?と思いがちですが、急に食事量を増やしたりするのは体調を管理するうえで良い方法とはいえません。食事量を増やすだけでは脂肪だけが増え、健康的に体重が増えたとはいえないのです。
■脂肪と筋肉量をバランスよく増やす
脂肪が減ると、背骨がゴツゴツとしたり、肋骨が浮き出るようになったりして外見的にも痩せたように感じます。また、肩や太ももあたりを撫でてみて、筋肉のふくらみや固さを感じてみると、筋肉が減ったことを感じることができます。
老犬はタンパク質の代謝量が増やせず利用効率が悪いので、良質のアミノ酸バランスのよいタンパク質を摂取しましょう。良質なタンパク質が摂取できるフードを選ぶのも一つの手段ですし、今までのフードに湯がいたささ身を加えるなど、少し手作り食を取り入れるのも良いと思います。
腎臓に持病を持っている場合は、タンパク質の量を制限した方がよい場合があるので、獣医師に相談しましょう。
食欲が落ちているときは、食べやすくして与えることも大切です。何より、老犬が「食べたい」という意欲を見せることが何よりも大切になります。
■まとめ
体重を増やすためには大切なことは「食事の量と質」という両輪が重要です。この二つのバランスが上手にとれていれば健康的に体重を増加させることができます。
冬は体力を使う季節ですから、食欲が増す秋のうちにコンディションを整えておきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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