水を飲みたがらない老犬。「水の飲ませ方」と危険サイン
2020.06.18 (老犬ケア)
今年もまた暑い夏がやってきます。熱中症や脱水症状の予防策としてこまめな水分補給が重要になりますが、飼い主さんのなかには愛犬が水を飲んでくれなくて困ったという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、老犬が水を飲んでくれない時の原因と対処法をご紹介します。
■老犬が水を飲んでくれない。その原因は?
【水や容器に原因がある場合】
犬は嗅覚が非常にすぐれているため、容器に臭いが残っていたり、与えられた水が新鮮でない場合などは嗅ぎ分けて、飲んでくれないこともあります。水は頻繁にとりかえ、容器も清潔に保つようにしましょう。
また、容器の場所や形状も飲んでくれない原因につながります。
老犬は首を曲げることが負担だったり、前足の踏ん張りがきかないことがあるため、容器を置く台などを利用して、水を飲みやすい高さにするといった工夫もよいでしょう。
【加齢により喉の渇きを感じにくい】
老犬の場合は加齢とともに体の機能が低下することで、中枢神経がうまく働かず、喉の渇きに鈍感になってしまいます。
さらに体内の水分を失いやすく、脱水症状に陥りやすいため、老犬こそこまめな水分補給が心がけましょう。
【環境の変化】
これまでの環境から変化があった場合は、食べ物や水を摂取する量に変化があらわれることがあります。
飼い主さんと過ごす時間に変化があったり、家族が増えたり、生活リズムが変化したり、環境の変化が原因として考えられるかもしれません。
◾️愛犬に水を飲ませるための工夫
【水分の多いドッグフードを選ぶ】
飲み水で水分補給ができないときは、食べ物から摂取するのがおすすめです。水分を多く含む缶詰やレトルト食品を食べさせることで、水分も一緒に摂取することができます。
嫌がらなければ、ドライフードに水をかけて食べさせても水分補給になります。
【好物のおやつなどを活用する】
水を入れた容器に愛犬が好きなおやつやフードなどを見せながら入れることで水の中のおやつを食べながら、同時に水分補給も叶えてくれます。
【水飲み場を増やす】
家のあちこちに水飲み場の数を増やしてあげることで、飲みたいタイミングで気軽に水が飲めるため、水分補給を促すことにもつながります。
◾️こんな危険サインは見逃さないで!
水を飲まないことで脱水症状を起こしてしまうため、飼い主さんにとっても健康状態の見極めが重要になります。
例えば、首のあたりの皮膚をつまんで引っ張り指を離したときに、皮膚が元の状態に戻りにくいときは脱水の可能性が高いため、動物病院を受診するようにしましょう。
脱水症状になると体が衰弱し、ますます水が飲めなくなってしまいます。夏場は特に愛犬の様子を注意深く観察するようにしてください。
◾️まとめ
愛犬が水を飲んでくれないとき、原因は何なのか、健康状態に問題があるのか、飼い主さんにとっては気になる問題になるかと思います。水を飲まないのは仕方ないとその状況を放置せず、原因を探り、それぞれの対処法を試すようにしてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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