歯磨きを嫌がる老犬こそ注意!デンタルケアの基本
2020.08.27 (老犬ケア)
老犬になってもデンタルケアは重要なお世話の一つ。清潔な口内環境を保つことは、愛犬の健康を維持することにもつながります。
仮に歯周病になってしまった場合、その菌が血液に流れ込み、さまざまな病気を引き起こす一因にもなってしまうのです。
そこで今回は、歯磨きの基本から老犬向けのホームデンタルケアの方法を解説します。
■まずは基本!愛犬の歯磨き方法を解説
歯磨きを行うことで虫歯や歯石形成の原因となる歯垢を除去し、歯肉炎、歯周病を防ぐことができます。正しい歯磨きの方法をまずはおさらいしていきましょう。
<STEP1> まずは歯の外側から
歯ブラシは水や肉汁、犬用の歯磨きペーストをつけます。犬の口を軽く押さえ上唇をめくり、前歯の外側から少しずつ磨きましょう。
<STEP2> 続いて奥歯を磨きましょう
あごを押さえながら下唇をめくり、奥歯を磨きます。歯石の付着は歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間から始まります。大きな歯は歯周ポケットも大きくなり、その分歯石もつきやすくなるため、上あごの第4前臼歯周辺は特にしっかり磨きましょう。
<STEP3> 歯の裏側も忘れずに
上顎をやさしく持ち上げながら、歯ブラシを持つ手で下あごを押さえながら、上の歯の裏側を磨きます。前歯から奥歯までが終わったら、次は下の歯の裏側も磨きます。
歯磨きが嫌いな子には、始めから歯ブラシで行うのではなく、まずは「歯や歯茎へのタッチ」から始め、徐々口の中に指を入れ、慣れてきたら歯磨きシートを使うなど、ステップを踏むとよいでしょう。
◾️老犬に負担の少ないホームデンタルケア
老犬になって、ますます歯磨きを嫌うようになったワンちゃんも多いかもしれません。そんな飼い主さんにおすすめのホームケアをご紹介します。
【シートやガーゼを使用】
歯周病予防には歯ブラシによる歯磨きが最も有効ですが、歯ブラシを口の中に入れられることを嫌がる場合も多いですよね。
そんな時には、シートやガーゼタイプの歯磨き用品で歯垢除去を行い、なるべくワンちゃんの不快感を軽減してあげましょう。
【歯磨きガムで歯垢除去】
普段から歯磨きを嫌がって、デンタルケアがうまくできていないと不安な飼い主さんには、噛むことで「歯垢除去」「口内衛生」「口臭抑制」などの効果がある「歯磨きガム」を使った簡単ケアがおすすめです。
ただし犬の歯は意外にもろいため、素材が繊維状で、噛むたび歯の表面がこすれるようなオーラルケア専用のガムを使用してください。
また歯磨きガムは大きすぎるとワンちゃんの口の中を傷つけたり、丸飲みしたりする恐れもあるため、必ず口のサイズにあったものを選び、噛んでいる時には眼を放さないようにしましょう。
【歯周病用歯ブラシを使う】
どんなに努力して歯垢や歯石を取り除いても、残念ながら歯周病になる可能性はゼロではありません。そのため歯周病対策として最も有効なのが「歯周病用歯ブラシ」を使うことです。
先端が細く、汚れがたまりやすい歯周ポケットをしっかり磨けるため、普段の歯磨きに歯周病用歯ブラシを取り入れることで、歯磨きがより効率的に行えます。
◾️まとめ
しっかり食べられることが健康の証であり、長生きの秘訣でもあります。デンタルケアをしっかり行い、愛犬の歯の健康を心がけましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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