犬に与えてはいけない食べ物は?老犬の食事の注意点
2020.10.31 (老犬ケア)
老犬になると身体のいたるところに老化現象があらわれるようになります。人間と同じように歯や胃腸の働きが弱くなるため、普段の食事にも注意が必要になります。
そこで今回は、老犬に負担をかける食事について解説。あわせて犬に与えるとリスクが高い食べ物についてもご紹介します。
■老犬の身体に負担をかけやすい「食事」とは?
【脂質や糖質が多いフードやおやつ】
思い通りに動けなくなるなど運動量が減る老犬にとって脂質や糖質が多い食べ物は極力控えるようにしましょう。
基本的には良質なタンパク質が摂れる、低カロリーなものがおすすめです。ただしカロリーを制限しすぎて量を減らすと体重が極度に減ったり、体調を崩すことがあります。また持病によって推奨される食事内容が変わってくるので、食事の見直しはかかりつけの獣医さんにも相談するとよいでしょう。
【硬くて消化が悪いもの】
老犬になると噛む力や飲み込む力が低下していきます。若い頃はちゃんと噛み砕いて食べられていたものが、加齢により歯が弱くなることで噛みくだけずそのまま丸呑みしてしまいます。ただでさえ消化する力が低下しているため、消化不良を起こして嘔吐してしまう場合も。そのため老犬にはなるべく消化しやすい食事を意識して与えましょう。
歯周病などにより、硬いままだと食べにくいようでしたら、フードをお湯でふやかして食べさせるなどの工夫もおすすめです。
【危険リスクのある食べ物は必ず避ける】
そもそも老犬のみならず犬に与えてはいけない食べ物があります。身近なところで言えば「飲み水」。水には「硬水」と「軟水」に分けられます。硬水はカルシウムやマグネシウムといったミネラルが多く含まれており、日常的に飲み続けるとお腹の調子が悪くなったり、結石のリスクが高まったりすると言われています。
与えることで犬の体に害を与えるものは意外に多く、老犬の身体は危険因子に過剰に反応しやすくなるため、より注意するようにしましょう。
■もう一度おさらい!愛犬に食べさせてはいけない食べ物
ここでは中毒を引き起こす可能性のある食べ物を解説します。中毒量は個体差によって異なるところが大きいのは事実ですが、体に害があると言われる食材は口にしないようにしましょう。
【ニラ・たまねぎ・にんにく】
あげてはいけない食材として認知度は高い「ニラ・たまねぎ・にんにく」。硫化アリル、アリルプロピルジスルフィドなどの原因物質により、赤血球中のヘモグロビンを酸化させ、溶血が生じます。
たまねぎ、にんにくは細かく刻まれ使われることも多いため、知らず知らずのうちに与えてしまう可能性があるので、注意が必要です。
【ぶどう】
ぶどうの中毒性についてはまだ解明されていませんが、口にすることで腹痛や下痢、嘔吐を繰り返し、その後腎不全を発症する場合もあります。
【マカデミアナッツ】
マカデミアナッツで中毒を引き起こす原因はまだ解明されていません。しかしこれまで中毒の症例が報告されており、嘔吐、けいれん、発熱、足のまひなどの症状があらわれると言われています。
【チョコレート】
カカオに含まれるテオプロミンにより、不整脈、心拍増加、過活動、けいれんなどの症状を引き起こします。特にカカオ含有量の多いチョコレート(ビターチョコレート)ほど中毒になるリスクが大きくなります。
【キシリトール】
甘味料の一種であるキシリトールは、少量でも摂取すると血糖値が低下し、嘔吐、歩行異常、けいれん、肝不全などの症状を引き起こし、命にかかわることがあります。
◾️まとめ
老犬になると口にするものにますます注意が必要となります。普段の食生活を見直すことはもちろん中毒を引き起こす食べ物には一層気にかけるようにしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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