癒しや体調管理にもなる!老犬のためのマッサージ
2020.11.26 (老犬ケア)
マッサージは私たち人間の疲れを癒すのと同様に、愛犬の心身も癒してくれます。
特に老犬になると血行が悪くなり、関節や筋肉も固まりやすくなります。動きが鈍くなることで散歩も負担になりがちになので、マッサージは体調管理にも一役かってくれるでしょう。
そこで今回は日常的にできる老犬のためのマッサージ方法をご紹介します。
■マッサージのポイント
【愛犬が喜ぶ場所、不快に感じる場所を把握】
せっかく気持ちいいはずのマッサージが愛犬にとって不快に感じてしまうのは本末転倒です。そのためマッサージを行う前に体に触れられることに慣らしておくことも大切です。
触れられて嫌がるところは無理に触らず、愛犬が気持ちいいと感じるところから始めるとよいでしょう。
【体調が悪い時にはマッサージを避ける】
お腹の調子が悪い時など愛犬が体調を崩しているときは、マッサージは控えましょう。
皮膚の異常やしこりを発見した時はマッサージを中止してください。しこりは腫瘍の可能性も考えられるため、刺激することは避けなければなりません。また関節の持病などを持っている場合は状態を悪くすることもあるため、プロの手に任せるようにしましょう。
【愛犬の様子を都度確認して行う】
愛犬が不快に感じていないかを飼い主さんの目で確認しながら行いましょう。
マッサージの細かい方法にこだわりすぎるよりも、愛犬の様子を見ながら力加減を調整したり、気持ちいいポイント探ったりしながらマッサージしてあげることが大切です。
■部位別 マッサージの仕方を解説
【血行の循環を促す「背中」→「前肢」→「後肢」】
まずは背骨に沿って、首の後ろから腰にかけて手のひらで数回なでます。次に肩から前脚の先に向けて、さらに腰から後ろ脚にかけて手のひらで数回なでるようにします。
私たち人間も背中をさすられると気持ちが落ち着くように、背中を中心にマッサージすることで愛犬も気持ちが落ち着き、さらに血流の循環を促してくれる効果があります。
【緊張を和らげる「首」のマッサージ】
首の後ろを軽くつかんで揉んだり、掴んだ部分を3秒ほど数えながら少し引っ張りあげてゆっくり戻したりする動作を繰り返します。
首をマッサージすることで筋肉の緊張をほぐすとともに、血行を促すことで循環機能を高める効果があると言われています。
【筋肉をほぐす「脚〜脚先」のマッサージ】
脚の付け根から脚先までを手のひらでなでたり、もみほぐしたりします。また脚先はくるくる回したり、指を1本1本引っ張ったりして刺激します。
老犬になると筋肉が固まりやすいので、脚先までマッサージして血行を促進してあげるとよいでしょう。
【目や口周りを重点的に行う「顔」のマッサージ】
目のマッサージは目の周りを囲んでいる骨を指先で軽くなでて一周します。目の周りはいくつものツボがあるため、視力が低下して疲れやすくなっている老犬の目をやさしく癒してくれます。ただし、眼圧が上がっている時や目やまぶたに傷や炎症がある時は避けましょう。
口周りも指先で小さく円を描きながら軽くマッサージしていきます。口周りのマッサージは興奮を沈める効果があるとも言われているため、愛犬の気持ちを落ち着かせたい時などに効果的ですが、歯周病がひどく、痛がるような時は避けましょう。
◾️まとめ
マッサージは飼い主さんとの貴重なスキンシップの時間にもなります。特に老犬になると散歩にも消極的になったり、気持ちがふさぎ込みがちになったりするため、飼い主さんから積極的にマッサージをしてコミュニケーションをはかりましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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