愛犬の歯周病をチェック!症状・治療法と予防策
2021.02.25 (老犬ケア)
人間の成人の約8割が罹患していると言われる「歯周病」。実は犬も歯周病にかかりやすく、重症化した場合は全身に細菌がまわり、ほかの臓器の疾患を招くケースもあります。
飼い主さんが日頃から愛犬の歯周病をチェックして、健康な口内環境を保てるようにサポートしましょう。
■歯周病の症状とは?
歯周病とは歯と歯茎の間に細菌が繁殖し、歯の周りに炎症が起こる病気です。歯が十分に磨けていないと歯垢が歯と歯茎の溝に溜まり、この細菌が繁殖することで起こります。
ほぼ自覚症状がなく進行するため、放っておくと歯が抜け落ちたり、細菌が全身にまわり内臓の病気を引き起こしたりすることもあります。
■歯周病になったら見られる行動
歯周病にかかった犬には、以下のような特徴がみられることがあります。下記、当てはまるものが多い場合は歯周病の可能性が高いため、早めに動物病院で診てもらいしょう。
・口臭が強い
・歯茎が腫れている
・歯茎から出血している
・軟らかいものしか食べない
・餌をよくこぼすようになった
・前足で口をよくぬぐう
・以前より食事に時間がかかる
・頬や目の下が腫れている
■歯周病の治療法は?
軽度なら歯石などの汚れを取り去り、歯周ポケットの中もきれいにします。
しかし歯周病がかなり進行して歯がグラグラしている重度の場合は抜歯することになります。場合によっては歯肉部分も切除するケースもあるようです。
これらの処置は全身麻酔をかけて行われます。愛犬の身体への負担を考えて心配になるかもしれませんが、安全性の確保を考慮したうえで全身麻酔をするケースが多いようです。
■歯周病予防に重要な「歯磨き」の始め方
歯周病を予防するために一番大切なことは歯磨きです。
日頃から歯と歯茎の間についた汚れをしっかり落とすことが必要ですが、歯磨きが苦手なワンちゃんも多いはず。少しずつ手順を追って、まずは歯磨きに慣れさせていきましょう。
【ステップ1】口の周りを触る練習をする。
【ステップ1】犬の口の中に指を入れて、歯を触る。
【ステップ3】歯磨きシートを使用する。
【ステップ4】歯ブラシを見せて、抵抗感がなくなれば口の中に入れる。
【ステップ5】まずは1本ずつ磨いていく。
1つのステップに慣れるまでは1週間を目安に見ていきましょう。少しでも嫌がる素振りを見せたらすぐにやめるのも大切です。
理想は毎食後に全ての歯を磨くことですが、焦らずじっくり愛犬のペースで行いましょう。
歯磨き以外に歯磨きガムなどの歯石をつきにくくするフードやおやつなどを活用するのもよいでしょう。
◾️まとめ
歯周病は犬がもっともなりやすく、軽視するのは危険な病気です。日頃から定期的に愛犬の口内や行動をチェックするとともに、歯磨きなどのケアも怠らず行いましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
- 心配な老犬の痙攣(2019.04.10)
- 春の換毛期 老犬におすすめのケアをご紹介(2024.04.16)
- 老犬の虫よけ対策(2018.06.26)
- もしもの時どうする?愛犬と共に災害に備えるヒント(2024.10.30)
- 老犬との生活がもたらすメリットを紹介(2024.09.30)
- 施設訪問記 小淵沢IKIGAIペットセンター(2024.08.30)