いつもと舌の色が違う!?犬の舌でわかる健康状態
2021.03.03 (老犬ケア)
愛犬が何気なく見せた舌の色が「いつもと違う」と思った経験はありませんか?舌の変色は病気の恐れがあるため実は注意が必要なのです。
とはいえ、普段から愛犬の舌のチェックをしていないと異変に気付けないこともありますよね。
そこで今回は、健康のバロメーターでもある犬の舌のチェック方法をご紹介します。
■「通常の犬の舌」と「問題のある犬の舌」の違いとは?
【通常の犬の舌はどんな状態?】
一般的に犬の舌の色は、濃いピンクや赤色で表現されます。健康な犬であっても、舌の上に青・紫・黒などの斑点が見られることがありますが、これは舌斑(ぜっぱん)と呼ばれるシミのようなもの。
詳しい原因はわかっていませんが、人間でいうホクロのようなもの。特に健康に支障をきたすようなものではありません。
【問題のある犬の舌はどんな状態?】
濃いピンクや赤の舌の色が白、黄色、紫に変色していたら健康状態を確認する必要があります。
色の変化によって疑われる病気が異なるため、次の項目で詳しく解説していきます。
■犬の舌の状態別でみる考えられる病気
【犬の舌が白い場合】
犬の舌が白っぽい場合は貧血である可能があります。軽度の貧血の場合は舌に症状があらわれることがないため、舌の色が白くなっている場合は、重度の貧血である可能性が高いでしょう。
貧血が起きている原因としては白血病や骨髄の異常など大きな病気が隠されていることもあるため、早急に病院を受診しましょう。
【犬の舌が紫である場合】
犬の舌が紫の場合は、皮膚や粘膜が紫に変化してしまうチアノーゼを起こしている可能性があります。
チアノーゼを起こす背景には、以下3点の恐れが考えられます。
・「血中の酸素濃度の低下」…興奮状態でうまく呼吸ができないなどの理由で、血中の酸素濃度が著しく低下した状態をあらわします。
・「心臓病の疑い」…血液に送るポンプの役割を果たしている心臓が体内に血液を送れなくなり、循環不全になった状態で起こります。心臓病でもかなり状態が悪いことが考えられます。
・「呼吸器疾患の疑い」…気管や肺の異常が起こることで酸素をうまく取り込めず、血中の酸素が低下し舌の変色が起こります。
【犬の舌が黄色い場合】
犬の舌が黄色の場合は、黄疸の可能性が高いでしょう。
黄疸とは血液中のビリルビン(胆汁色素)が増加して、外見上、黄色く見えること。肝炎、胆嚢、溶血といった疾患が考えられます。
◾️まとめ
愛犬の病気のサインに気づくためにも、日頃から健康チェックを習慣化しておくとよいですね。
特に犬にとって舌の色は健康のバロメーターでもあるため、歯磨きの際などに軽くチェックしてみてください。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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