春の換毛期は、エアコンの使いすぎに注意!
2021.04.23 (老犬ケア)
4月になり過ごしやすい陽気となる日が増え、冬毛を脱ぎ捨てる春の換毛期がやってきました。
すでに抜け始めている犬も多いと思いますが、しっかりと換毛することで快適な夏を迎えることができます。飼い主さんにとってはしばらく掃除に苦慮する季節ですが、夏を涼しく過ごしてもらうために、しっかりとケアしておきましょう。
犬の換毛に大きく関わるのが気温と日照時間といわれています。とくに気温の影響は大きく、春が訪れ、日増しに日照時間が長くなって気温が上がってくると換毛が始まります。
春の換毛は、冬の間体温を維持していたふわふわの古い被毛が抜けて、少し粗目の新しい夏毛が成長します。逆に、日照時間が短くなり、気温が下がり始める秋には夏毛が抜け始めて、柔らかく密度の高いアンダーコートが冬毛として成長し、犬の体を包みます。
夏の間は涼しさを維持するために、多少抜け変わることがありますが、冬毛はあまり抜けず、防寒着としての役割を果たしながら犬の体温を保持します。冬の間は休んでいた毛の入れ替えが春の訪れとともに一気に始まるので、春の換毛は飼い主にとっては苦労の季節となるわけです。
ところが、最近の犬の飼育環境は昔と違ってとても快適になっています。冬は暖かく過ごし、夏は冷房で涼しく過ごすことが多く、換毛時期がずれてしまうことがあるようです。
最近はゴールデンウィーク頃になると夏日となる日が出てきますが、少し暑さを感じたからといって冷房をいれてしまうと、一緒に過ごす犬にとっては春の換毛が正しく行われず、冬毛がしっかり抜け切れずに残ってしまうことがあります。
そうなると、室内は快適でも屋外の出た時の夏の暑さや梅雨時期の蒸れなどで、熱中症や皮膚病にかかったりアレルギー疾患が進むなどの悪影響がでる恐れがあります。
人と犬の健康を考えると、多少の暑さや寒さを感じながら体温の調整をしていかないとストレスに弱くなり、体を健康的に維持する機能が低下してしまいます。
季節や気温を感じながら体を順応させていくことは、精神的にも健康な体を作る上でも大切なことです。換毛期のサイクルを整え、温度変化に対応するためにも、エアコンの使い方にも気を配る必要があるでしょう。
エアコンを使用するときは徐々に体を慣らすためにも冷房設定は27℃程度の設定で、暑さをしのぎやすい程度にしておくこともおすすめします。ただし、室温管理は、犬の体調や持病によって考慮してください。
快適なお部屋の中でもしっかりと換毛をさせるためには、ブラッシングで被毛に刺激を与えることも効果的です。抜け毛が落ち着くまではこまめにブラッシングをして、抜けるべき冬毛をしっかりと取り除いてしまいましょう。
あらかじめお手入れしておけば部屋中に抜け毛が散乱することも避けられますし、愛犬とのスキンシップをとることもできます。
もうすぐやってくる夏を快適で健康的に過ごすために、春の換毛期をしっかりと乗り切っていきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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