犬のくしゃみが止まらない!原因と病気の可能性
2021.05.21 (老犬ケア)
犬がくしゃみをするのは特別なことではありません。しかしあまりにも頻繁に繰り返しくしゃみをしていると、飼い主さんも心配になるもの。
そこで今回は、くしゃみの原因と病気の可能性について解説していきます。
■ 病気の可能性があるくしゃみとは
通常の犬のくしゃみは人間のくしゃみと同様に、ホコリが鼻に入ってきたときなど、体から異物を出そうと反応する、生理現象のひとつです。
病気の可能性も低く一過性の生理現象の場合は、以下のような特徴があります。
【生理現象のくしゃみの特徴】
・体調に変化がない
・数回くしゃみをしただけで基本的に元気
・刺激臭をかいで出たくしゃみ
しかし、くしゃみの状況によっては病気のサインとしてあらわれるケースもあります。注意が必要な犬のくしゃみは以下の特徴があります。
【病気の可能性があるくしゃみの特徴】
・くしゃみに鼻水や涙・眼脂を伴う
・長時間頻繁にくしゃみをしている
・発熱・下痢・嘔吐などの症状もみられる
・いつもとくしゃみの仕方が違う
■ 犬のくしゃみの原因とは?
【異物やにおいの刺激によるもの】
ホコリや砂、毛などの異物が鼻に入ることで犬は生理的にくしゃみをします。
あまりにくしゃみがおさまらない場合は、異物がくしゃみで排出されずに残っていたり、アレルギーなどの過敏な反応が起きている可能性も考えられます。くしゃみの様子が気になるようなら動物病院に相談するとよいでしょう。
そのほか異物以外にも煙、香辛料・殺虫剤などの刺激の強いにおいを嗅ぐことでくしゃみが誘発されます。空気清浄機などを活用し、くしゃみの原因となるにおいを抑えることも効果的です。
【花粉症などのアレルギー】
植物の花粉やハウスダストなどに犬がアレルギーを持っていると、くしゃみや鼻水などの症状があらわれます。同時に皮膚や耳の痒みがみられるアレルギー性皮膚炎を伴うことが多いでしょう。
アレルギーの原因となるものは、花粉やハウスダストから食べ物までさまざまなため、症状が強い時には受診することをおすすめします。
【ウイルス感染や細菌感染】
細菌が原因で起こるくしゃみのほか、ウイルス性鼻炎を引き起こしているケースもあります。感染による鼻炎の場合はくしゃみ・鼻水・微熱・短く乾いた咳といった症状が見られます。
ワクチン接種により予防が可能なものもあるため、定期的な抗体検査やワクチン接種をおすすめします。
【副鼻腔炎(ふくびくうえん)、蓄膿症(ちくのうしょう)】
くしゃみと一緒に鼻水が続いたり、ドロッとした粘り気のある鼻水が出る場合は、副鼻腔炎、蓄膿症が考えられます。
炎症がひどい場合、鼻筋が腫れて熱をもつことも。副鼻腔炎が悪化すると蓄膿症になります。
【鼻腔内腫瘍(びくうないしゅよう)】
鼻の中に腫瘍ができて炎症を起こすとくしゃみや鼻水、鼻血が出る、鼻をズーズーならすことがあります。
鼻腔内腫瘍の多くは悪性腫瘍であり、比較的進行が早いため、疑われる場合は早めに動物病院で精密検査を受けましょう。
【歯周病】
歯周病が進行すると、歯根部の感染が鼻腔にまで広がり鼻炎を起こすことがあります。その結果、くしゃみや膿っぽい鼻水、鼻血などの症状がみられます。
◾️ まとめ
くしゃみは生理現象として特別なことではありません。しかし愛犬の様子によっては病気が潜んでいることも。
ちょっと気になることがあれば、様子を見てかかりつけの獣医さんに相談すると安心ですよ。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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