大型犬がかかりやすい病気とは?関節や心臓に要注意!
2021.07.23 (老犬ケア)
同じ犬でも体格によってかかりやすい病気は異なります。
小型犬に比べ、短命ともいわれる大型犬。成長スピードが早く、身体の大きさと比べて臓器が小さいことから日常的に臓器にかかる負担が大きいのも要因のひとつではないかという見解もあります。
そこで今回は、大型犬が注意したい病気についてご紹介します。
■ 大型犬がかかりやすい病気とは?
【股関節形成不全症】
大型犬は成長過程において体重増加が著しく、関節に負担を抱えることが多くあります。 そのなかでも股関節形成不全症は、発育の段階で異常を起こし、歩行が不安定になります。
原因は遺伝的素因のほか、偏った栄養や激しい運動などの環境要因も影響すると言われています。
股関節形成不全症は70%が遺伝素因、残りの30%が環境要因と言われ、なかでも肥満は大きな原因となるため、体重管理は大切なポイント。またバランスのとれた食事、適度な運動で股関節を支える筋肉を強化することも重要です。
【拡張型心筋症】
心筋が何らかの原因で薄くなって伸びてしまい収縮が弱まることから、血液の循環不全を起こす病気です。初期の場合は運動後に咳き込んだり、疲れやすかったりします。進行すると肺水腫や呼吸困難のほか、最悪の場合、突然死することもあります。
犬の拡張型心筋症は遺伝性疾患と言われ、詳しい原因はわかっていません。しかし加齢に伴い発症リスクは高まります。
発症を防ぐ予防策は見つかっていませんが、定期的に健康診断を受け、必要に応じた心臓の検査を受けることで早期発見でき、進行を遅らせることは可能です。
【胃拡張・胃捻転症候群】
胃拡張・胃捻転症候群は健康状態が良好な犬であっても、急に発症して死に至る可能性のある大変怖い病気です。胃が拡張し(胃拡張)、ねじれを起こすこと(胃捻転)で発生します。
特に胃捻転の場合は胃や周囲の血流が遮断されることから、急激にショック状態に陥り、緊急性の高い病気です。
はっきりとした原因は不明ですが、胃内に停滞する液体やガスの増加、食後の過度な運動による胃拡張が主な原因と言われています。さらに胃拡張に伴って胃捻転を起こします。
日常生活では1回の食事で多量に与えすぎたり、食後すぐに運動したりしないようにしましょう。食事の回数を1回から2回以上に分けることも予防につながります。
◾️ まとめ
遺伝的な要因が引き起こす病気はなかなか防ぎようがなく、飼い主さんも対策を講じるのが難しいですよね。
万が一病気にかかったとしても、早期発見が重要であるため、日頃から体調管理を心がけましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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