後悔しないために大切なことは?ペットロスの乗り越え方
2021.08.16 (老犬ケア)
「ペットロス」とは、ペットをなくしたことをきっかけに飼い主が経験する深い悲しみのことをさします。
具体的には「突然悲しくなり、涙が止まらない」「無気力状態」「眠れない」といった症状があらわれます。さらに症状が重くなると、「幻視・幻聴」「外出できない」といった症状に苦しめられる人もいるようです。
今回のテーマは、愛犬をなくした際に経験するかもしれない「ペットロス」について。乗り越え方や後悔しないためのヒントをご紹介します。
■ ペットロスの乗り越え方
ペットとの別れに対して、飼い主は5つのステップを踏みながら徐々に乗り越えていくといわれています。
<ステップ1:否定>
ペットとの別れを受け入れがたく、現実を否定する思いや言葉が湧き上がってきます。これは精神的なショックから逃れようとして起こる自己防衛本能と考えられます。
現実を受け入れようとするファーストステップにあたる作業でもあるため、「否定」から抜け出すにはある程度の時間が必要となるでしょう。人によっては数ヶ月を要することもあります。
<ステップ2:交渉>
「神様、この子を生き返らせてほしい」といったように非現実的な願望を持つ時期にあたります。失ったものを取り戻せないかと、神様や自分自身と交渉するような期間です。
<ステップ3:怒り>
ペットをなくしたことに対して、「あの人がこうしなかったから悪い」「こういう選択をした自分が悪い」と怒りの感情を持つ時期です。
怒りの矛先は自分だったり、家族だったりとさまざま。自分に対する怒りは後悔となって、尾を引くこともあります。
<ステップ4:受容>
怒りの感情がおさまった後に、ペットとの別れを受け止めようとする時期にあたります。現実は変えられないこと、起きたことをようやく理解できるようになります。
<ステップ5:解決>
最後のステップである「解決」は、悲しみが薄らぎ、立ち直るフェースに入ったことを示します。これまでのステップを経て、自分の気持ちの整理が行き届いていくでしょう。悲しみも癒え始め、ペットの存在も良き思い出として捉えられるようになります。
■ 後悔しないために大切にしたいこと
まず病気の早期発見のためにも、年に一度は健康診断を受けるなど健康管理を徹底しておくことが重要です。
人間の4倍以上のスピードで年をとる犬たちは、気づいたときには病気にかかっていたり、見えないトラブルを抱えていたりすることがあります。苦しそうにしていることに気づき、病院に連れて行った段階で病状がかなり進行していたというケースも決して少なくないでしょう。
「もっと早く気づいてあげていれば…」と後悔しないために、日頃から愛犬の健康管理は徹底しましょう。
◾️ まとめ
この世に変わらないことやものはありません。そして生と死は隣り合わせのもの。ペットを失う悲しみを乗り越えるのは決して容易なことではありませんが、ステップを踏みつつ、心の傷が癒える日は必ずやってきます。
そして別れを後悔しないためにも、今できることを意識的に行っておきましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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