老犬の便が黒い!原因と考えられる病気とは?
2022.05.17 (老犬ケア)
「愛犬の便がいつもより黒いような…」
便の色がいつもと違うと気になるものです。
便が黒い場合、心配いらない場合もありますが、体力の落ちた老犬にとっては命に関わる病気が隠れていることも。
そこで、今回は黒い便の原因や病院に行くべき犬の黒い便について解説していきます。
■ 心配いらない黒い便
食べ物によって便が黒くなることがあります。食事に肉類が多ければ、一時的に便が黒くなります。また、飲んでいる薬やサプリメントに鉄分が含まれていると、便が黒くなりやすい傾向にあります。
これらは病気の可能性が低いため心配いりません。
■ 病院へ行くべき黒い便とは?
「タール便」と呼ばれる粘り気のある黒い便は血便の可能性が高く、胃や小腸などの上部消化管からの出血が疑われます。便を持参のうえ、早めに動物病院を受診してください。
血便と聞くと赤をイメージするかもしれませんが、上部消化管からの出血は血液が消化されることで黒色に変色するため、黒い便として観察されます。
老犬は持病を持っていることが多いため、若いころに比べて黒い便が見られる可能性も高くなるでしょう。
■ 黒い便から考えられる病気は?
黒い便から考えられる老犬に起こりやすい病気をいくつか紹介します。
【胃腸炎】
ウイルスや寄生虫の感染によって発症します。免疫力の低下した老犬に多くみられます。
【胃潰瘍】
重度の胃炎によって発症します。慢性腎臓病がある犬も胃潰瘍を起こしやすいと言われています。
【急性膵炎】
膵臓の炎症により、胃や小腸が出血し、便が黒くなります。
【消化管内異物】
尖った物など誤飲した異物が胃腸を傷つけて出血し、便が黒くなります。肥満の犬に多い傾向にあります。
【消化管内腫瘍】
胃や小腸に腫瘍ができて出血し、便が黒くなります。老犬に多く起こります。
◾ 黒い便が出たときにチェックしたいポイント
便の色の他に以下の症状がないかチェックしましょう。
・便の回数や量が以前より少ないまたは多い
・赤い便が混ざっている
・軟便、または下痢である
・黒い便が2日以上続く
・便がだんだん黒くなる
・元気・食欲がない
・嘔吐する
・痩せてきている
・体を触ると嫌がる、震えている
・便から悪臭がする
これらの症状があれば、受診の際に医師に伝えるようにするとスムーズです。
免疫力が低下した老犬は、下痢による脱水症状にも注意しましょう。
◾ まとめ
便は食べ物やサプリなどで一時的に黒くなる場合もありますが、胃腸からの出血が原因の場合は注意が必要です。老犬の命に関わることもあるためすぐに動物病院を受診してください。
便は健康のバロメーターと言われています。普段から犬の便の状態をチェックしてあげることで、愛犬の体調の変化に気づきやすくなるでしょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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