老犬の噛みつきが気になる!考えられる原因と対策
2022.05.20 (老犬ケア)
「抱っこをしたら急に噛みつかれた」「頭を撫でただけなのに驚いて噛みつかれた」など、以前と同じように接しているつもりでも、急に噛みつかれて驚いた経験のある飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
これまで噛み癖がなかった犬も、老犬になると噛みつきが増えることがあります。
そこで今回は、老犬が噛みついてしまう原因を解説します。
■ 老犬が噛みつく原因とは?
老犬が噛み付いてしまう原因について、考えられる原因をいくつかご紹介します。
【触られた部分に痛みがある】
触られた場所に痛みがあると嫌がって噛みつくことがあります。
老犬になると、関節や筋肉に痛みが出やすくなります。特に老犬に多い椎間板ヘルニアの場合は、触ると神経が圧迫されて患部に激痛が走ります。
また、立ったときに足が震えたり歩くときにふらついたりしていたら関節が痛いサインかもしれません。
触られることを嫌がったときは、動物病院で状態を見てもらうと安心です。
【視力・聴力の低下】
視覚や聴覚が衰えると、周りの状況が把握しにくくなり不安や恐怖を感じやすくなります。飼い主さんの気配にも以前より気付きにくくなっているかもしれません。
そのため、飼い主さんに撫でられたときに、急な刺激に驚いて噛みついてしまうのです。
愛犬を驚かさないように、声掛けをしながらゆっくり愛犬に近づくようにしましょう。
【運動能力の低下】
運動能力や反射神経の低下が原因で、危険を避けられない場面が出てきます。
不安や恐怖を感じやすくなり、攻撃性を増して噛みつくことが考えられます。
【認知症】
認知症によって、飼い主さんが一時的にわからないケースもあります。老犬が飼い主さんのことを初対面の相手だと思い込み、抱っこやスキンシップにストレスを感じて噛んでしまうのです。
生活が昼夜逆転したり、同じところをグルグルと歩き回ったりと以前と違う行動がないか観察しましょう。
認知症を発症すると介護が必要になるので、早めに動物病院に相談することをおすすめします。
◾ 噛みつく老犬への適切な対応とは?
老犬が噛みつく場合、どのような対応をとればよいのでしょうか?
【怒らない】
今まで穏やかだった愛犬が突然噛むようになったら、飼い主さんの精神的な負担も大きいかと思います。しかし、老犬には全く悪気がなく、何かしらの原因があることも理解してあげる必要があります。
優しく声をかけ、老犬の気持ちに寄り添いながら丁寧に関わっていくことが大切です。愛情をかけることで老犬の心が落ち着き、噛みつきが収まるケースもあります。
【体調や症状をチェック】
以前と比べて行動に変化がないかを確認してみましょう。愛犬は怒っているのではなく、体調が悪かったり怪我をしたりしているのかもしれません。
もし気になる症状がみられる場合は病気の可能性もあるので、早めに動物病院を受診しましょう。
◾ まとめ
愛犬が噛みつくときは、愛犬が何かしらストレスを感じて辛い思いをしているのかもしれません。噛みつく原因を見つけて、できるだけ環境を整えてあげましょう。
飼い主さんも大変かと思いますが、愛犬にも悪気がなく、老化による自然な現象によるものだと捉えると対応がとりやすくなるかもしれません。
噛みつく原因がわからずに心配な場合は、一度かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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