老犬が安心して暮らすための梅雨〜夏の健康管理
2022.06.14 (老犬ケア)
しとしとと雨が降り続いて肌寒い日があったり、かと思えば一気に気温が上がって蒸し暑くなったりと不安定な梅雨から夏にかけての時期は、人間も体調を崩しやすい時。
体の機能が低下し、いつ病気になるかわからない老犬ならなおさら、健康状態が心配になりますよね。
そこで今回は、梅雨から夏の時期にかけて老犬が健康に過ごすために注意すべき健康管理のポイントを解説します。
■ 梅雨から夏にかかりやすい病気と予防策
【食中毒】
湿度が高くて細菌が繁殖しやすい時期のため、「食中毒」には要注意です。食中毒のなかでも、一般的にもっとも多いのが「細菌性食中毒」。ドッグフードを愛犬が食べて腹痛・嘔吐・下痢などの症状が見られたら、細菌が発生したフードによる食中毒の可能性があります。
<予防策>
食事で使用した食器は念入りに洗い、おもちゃなどもしっかり除菌するようにしましょう。手作り食、ウェットフードなどの水分の多いフードは、食べ残したものを置いておくと腐敗しやすいので、速やかに片づけましょう。
【皮膚疾患】
犬の体は全身被毛に覆われているため、湿気がこもることより細菌が繁殖して「皮膚疾患」にかかりやすくなります。
さらに皮膚病になると患部を気にして舐めたり噛んだりする傾向があるため、症状がさらに悪化したり、感染が悪化することにもなりかねません。
<予防策>
散歩から帰ったら体や足裏の汚れをよく落としてから、湿り気がなくなるまでしっかり拭いてあげましょう。またこの時期はノミやダニも繁殖しやすいため、ノミダニ予防薬を使うだけでなく、毎日使うベッドやマットは、こまめに洗濯をして清潔な環境を整えてあげましょう。
【熱中症】
高温多湿な梅雨から夏の時期は、熱中症にかかるリスクがぐんと上がります。特に犬は人の汗を出すのと同じような汗腺が足裏の肉球部分しか存在しないため、体温調節が人間のようにうまくできず、暑さに弱い生き物です。
さらに老犬ともなれば老化によりますます体温調節機能が低下してしまうことで、熱中症にかかりやすくなるのです。
肥満傾向、心臓や呼吸器に持病がある場合は、暑さで症状が悪化したり熱中症になるリスクが上がりますので、注意が必要です。
<予防策>
水分補給をしっかり行い、散歩の時間帯も早朝や夕方など涼しい時間帯に出かけると安心です。室内で過ごす場合は、クーラーの風が直接当たって冷えすぎない様に気をつけつつ、室内を適温に保つように(25度前後)心がけましょう。
◾ まとめ
老犬になると、毎年無事に夏と冬を無事に越せることが一つの目標になったりするものです。
食欲がなくなったり、体力が低下したり、何かと体調トラブルが心配になる時期ではありますが、愛犬の変化を見逃さず、飼い主さんともども過ごしにくいこの時期を乗り切りましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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