「施設訪問記 動物病院ヘルスペット」。【老犬ケア】

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施設訪問記 動物病院ヘルスペット

2022.06.28 

ヘルスペット神奈川県横須賀市にある動物病院「ヘルスペット」にて、老犬ホーム事業を立ち上げたスタッフの七戸さんにお話を伺ってきました。

ヘルスペットは横須賀で40年以上診療を続けている動物病院。今回お話を伺った七戸さんのお母様が院長として開業した病院です。七戸さんは動物病院の娘として、小さな頃から動物に囲まれて育ち、人とペットとの関わりの移り変わりを見つめてこられました。

病院が開業された40年前から今日に至るまでで、世の中のペットに対する考え方は大きく変わってきています。犬や猫は外飼いから室内飼いに、食事も食卓の残りものから専用のフードに、と、以前よりも動物自身の健康を重視して大切に扱われるようになりました。
しかし、そんな現在でも、病院の前に置き去りにされるペットは後をたたないといいます。

ヘルスペットではこれまでに動物愛護センターにいた1000頭近くの犬や猫の里親探しに携わってきましたが、その取り組みの中で、若い犬はすぐに引き取り手が見つかっても、歳をとった犬の行き場がなくなっていることに気づいたそうです。
また、病院を利用する飼い主さん自身が高齢になることで、この先のペットのお世話の相談も多く受けるようになり、行き場を失ったペットにできることはないかと考えたのが老犬ホームを始めたきっかけでした。

介護風景

「動物のことを第一に考えて、求められるニーズに応えられるように」というのが開業当初からあるヘルスペットの基本的な理念。24時間年中無休の診療体制や、トリミングサロン、ペットホテル、しつけ・トレーニング、そして老犬ホームとサービスを徐々に増やしていき、院長の理念に共感したスタッフが多く集まって今の病院の形になりました。
スタッフの交代の時間には毎日引き継ぎのミーティングを行い、2ヶ月に1回は全職種のスタッフが集まって相談をする場も設けているとのこと。七戸さんが老犬ホームをやりたいという希望を出した時も、このミーティングで他のスタッフからたくさんのアイディアを貰ったそうです。

院内にあるスタッフの似顔絵

「最初自分のアイディアの中にはトリミングサービスを含めていなかったんですが、トリマーさんの方から“ずっとここにいるなら空いている時間で洗ってあげたい”と言ってくれて、サービスに加えることになりました。みんな動物たちがどうしたら嬉しいのか、よくなるのかというのをいつも考えて行動してくれるスタッフばかりです」という七戸さん。ただ預かるだけでなく、病院の医師や看護師と連携して病気を発見したり、治療したりといったこともスムーズにできる至れり尽くせりの環境です。
老犬ホームの取り組みを始めてから5年以上経ち、スタッフ間でのノウハウが蓄積されてお世話の方法やルールにも改善を重ねられてきました。

トリミング風景

本当は自分の家でお世話してあげたいけれど、どうしても難しいという飼い主さんにとって、24時間の体制が整っている病院に預かってもらえるというのはとても心強い味方になります。
注射や投薬などのケアの他にも、いよいよ最期が近づいてきたときに、延命治療をするかしないか、しない場合でも苦しさをどれだけとってあげられるかということができるのが獣医師・看護師のいる施設の強みであるといえるでしょう。

万全のケア体制

最後に七戸さんは「今後も社会の変化に合わせて、その時代のニーズにあった病院となるように進化を続けていきたい」と語ってくださいました。
近年のコロナ禍の影響でペットショップの売上が上がり、過去のペットブームの後に起きた捨て犬問題が繰り返されるのではという懸念も起きています。正確な未来予測は難しいですが、時代に合わせて動物の遺伝子が進化してきたように、病院も変化していかなくてはいけないという頼もしいお言葉をいただきました。
言葉にするのは簡単ですが、実際に実行に移すことができるのはスタッフの高い志があるからこそ。こうした施設が近くにあれば、ペットも飼い主さんも安心して暮らすことができますね。

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