犬のヒゲの役割 切らないほうがいいケースとは?
2022.08.22 (老犬ケア)
普段何気なく見ている愛犬のヒゲ。実はヒゲには役割があることをご存じでしょうか?
猫と違って、切っても問題ないとされる犬のヒゲですが、切らないほうがいいケースもあります。
今回は犬のヒゲについて、役割や注意点をご紹介します。
■ 知っておきたい!ヒゲの役割
犬や猫のヒゲには「触覚」の役割があり、情報をキャッチしたり感情を伝えたりする働きがあります。
ヒゲの触覚を活用する動物として有名なのが猫ですが、犬もわずかではあるものの普段の生活に役立てています。特に視力や聴力が衰える老犬にとっては、ヒゲは感覚の補助に役立つ大切な体の一部なのです。
ヒゲは触覚として具体的にどのような働きをするのでしょうか?
【周囲の障害物を感知する】
犬のひげの根元周辺には神経が分布しており、触覚の役割を果たしています。周囲の障害物を感知して、ぶつかるのを事前に避けることができます。
視力が低下した老犬にとって、ひげは感覚を補助する重要なものです。
【位置を把握する】
食事のときなどは、視覚に加えてヒゲや嗅覚で食べ物の位置を感じ取ります。
【空気の流れを読む】
ヒゲの感度は皮膚よりも敏感で、温度や湿度、風向きなどを感知することができると言われています。特に暗い場所ではヒゲを頼りに活動することもあります。
【気分を表現する】
リラックスしているときはヒゲが下を向き、興奮・緊張しているときはヒゲが前を向くなど、ヒゲの様子で犬の状態を知ることができます。
■ 日常生活で飼い主さんが気を付けること
犬にとって大切な役割をもつヒゲ。生活の中では次のことに注意しましょう。
【ヒゲを抜かない】
ヒゲの根本には神経と血液が流れているため、抜いてしまうと痛みを感じます。また、犬のヒゲは毛根が太いため、無理に抜こうとすると皮膚を傷めてしまう恐れも。
若い時は艶があり太くピンとしていたヒゲが、老犬になると細く白いヒゲになり、一見白髪のように見えてしまいますが、抜くことはしないようにしましょう。
【老犬はヒゲを切らない】
本来は触覚としての役割があるヒゲですが、健康な犬であれば嗅覚や聴覚が発達しているため切っても問題ありません。ただ、老犬の場合は切らずに残しておくことをオススメします。
老犬になると視覚や聴覚が衰え障害物にぶつかることも増えるでしょう。そんなとき、ヒゲが周囲の環境を把握する手助けとなってくれるかもしれません。
◾ まとめ
老犬になり視覚や聴覚が衰えると、日常生活の何気ない場面でヒゲが役立つ機会が増えてくるかもしれません。老犬のヒゲはカットせずに大切に扱いましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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