施設訪問記 WILL dog care house
2022.08.27 (老犬ケア)
長野県上田市にある老犬ホーム、ペットホテル「WILL dog care house(ウィル ドッグケアハウス)」を訪問し、代表の後藤さん、スタッフの横山さんにお話を伺ってきました。
横山さんは2009年に、犬、猫の保護活動をするボランティア団体を発足。上田市に保護活動をするボランティア団体がないことを知り、ご友人と「ないなら自分たちでやってみよう」とそれまで個人活動をしていた有志により「一匹でも犬ねこを救う会」を始められたそうです。(2018年にNPO法人化)
そのNPOで、預かりボランティアとして活動していたのが後藤さんです。実はおふたりとも、いつか老犬ホームをやりたいという思いがあったそうです。後藤さんに現在の施設の建物購入の話があった際に、さりげない立ち話からお互いの気持ちを知り、ひとりでやるのは大変だけど、2人なら協力してできることがあるのではないかと、一緒に施設を運営するという思い切った決断をされます。「お互いが必要としていたんです」とお話ししてくださいました。
そして2021年10月に、老犬ホーム、ペットホテル事業でWILL dog care houseは開業しました。施設を造るときにこだわったのは、室内のプレイルームをとにかく広く作ることだそうです。上田市の冬はとても寒く、夏の暑い日にもワンちゃんたちはあまり外に出ることができません。そのため老犬も元気なワンちゃんも思い切り遊べる室内スペースを作り、寝るところは別だけれど基本的にみんな広い部屋に一緒にいるというのが1番のコンセプトです。その他にも床はワンちゃんが滑りにくい材質を選ぶなど、細部までこだわって施設を造られました。
ワンちゃんをお預かりするときには、歯周病などの口内ケア、フィラリアや狂犬病の予防接種、不妊手術などについて、飼い主さんのお話をよく伺った上で、おすすめをしているそうです。またしつけの相談もお受けしているとのこと。お預かりしている間は毎日LINEで状態をお知らせし、お預かり後も体調を確認する連絡をするなど、ワンちゃんの健康を飼い主さんと一緒に考え、寄り添っていらっしゃいます。
広い室内での自由な空間と、きめ細かいサービスで、他の施設に預けてうまくいかなかったワンちゃんも受け入れられるのがWILL dog care houseの特徴。若いワンちゃんも老犬もリピートされる方が多いそうです。
今後の取り組みとして、老犬ホームに力を入れていきたいとのこと。上田市には他に老犬ホームがないため、もっとたくさんの方に施設の存在を知っていただき、どんな老犬でも、病気のワンちゃんも積極的に預かっていきたいと力強く語ってくださいました。
最後に老犬の介護で悩んでいらっしゃる方へのメッセージを伺いました。
「おおげさな話ではなく、老犬介護で心を壊す方もいらっしゃるので、悩んでいることがあればとにかく相談しに来てほしいです。疲れたときは休んでいいと思うんです。そこをお手伝いしたいと思っているので、けっしてひとりで抱え込まないで、と言いたいです。」保護活動のボランティアも長くおこなってきて、さまざまな飼い主さんのご事情を見てきたおふたりの気持ちがあらわれるメッセージです。
「飼ったからには飼い主さんに最期をきちんと看取ってもらいたいなと思っています。ただ、そこまでのサポートはいくらでもするよ、と思っています。」という言葉が印象的でした。飼い主さんとワンちゃんの理想のゴールに繋ぐサポートをおしみなく提供しておられる施設であることが伝わってくるインタビューでした。
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