小型犬に多い関節リウマチとは?症状や治療法を解説
2022.09.27 (老犬ケア)
小型犬に多くみられる関節の病気の1つに「関節リウマチ」があります。
手足の関節に痛みや腫れが起こり、関節が変形して足を引きずったり関節が曲げられなくなったりします。重症化すると歩行が困難になり寝たきりにつながることもあるため注意が必要です。
今回は、関節リウマチの症状や治療法について解説していきます。
■ 犬の関節リウマチとは?
関節リウマチとは、免疫機能の異常によっておこる関節炎です。通常は菌などが侵入してきた時に発動する免疫機能が、誤って関節を構成する組織を攻撃してしまうのです。
免疫機能が異常になる原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝が要因になっていると考えられています。進行性の疾患のため、放っておくと骨の崩壊と関節の変形が進み痛みや苦痛が増していきます。
重症化して歩行困難になると、寝たきりにつながることも。
若年齢で発症するほど進行が速く、関節の変形が起こりやすくなると言われていますが、老犬も注意が必要です。予防することが難しいため、定期的に動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。
■ 関節リウマチの症状
関節リウマチの主な症状として、以下のような症状があらわれるようになります。
・関節の硬直
・関節の痛み
・関節部に左右対称の腫れ
・発熱
・食欲不振
・関節の変形
・散歩に行きたがらない
・足を引きずる
・触れられるのを嫌がる
・歩行不全
気になる症状があれば動物病院を受診しましょう。
■ 犬の関節リウマチの治療法は?
関節リウマチは、血液や関節液の検査・レントゲンなどの検査結果を見ながら総合的に診断します。治療は、鎮痛剤や抗リウマチ薬などを投与して痛みを和らげることが一般的です。
肥満によって関節の負担が大きい場合には、適度な運動と食事管理で、適正な体重まで減量します。温浴治療や赤外線、超音波治療、サプリメントの服用も有効です。
重症化している場合は、必要に応じて外科手術を行うこともあります。
■ 関節リウマチと診断されたら?
関節に負担がかかると炎症が進行したり痛みが増したりするため、自宅では関節の負担が少ない環境づくりを目指しましょう。
【飼い主さんができる環境づくり】
・階段などの段差を避ける
・激しい運動は避ける
・適正な体重を維持する
・横滑り防止のためにフローリングにマットを敷く
筋肉の萎縮を防ぐために毎日の適度な運動は必要です。関節に負担がかからない程度に軽い散歩などを行いましょう。
運動量が減って寝ている時間が増えた場合は、床ずれにも気を付けましょう。
◾ まとめ
関節リウマチは、免疫機能の異常によって起こり、予防は難しい病気だと言われています。痛みにより生活の質が低下しますが、早期から適切な治療を行えば病気の進行を抑えることが可能です。
早期発見・早期治療のためにも、定期健診を欠かさず、日頃から関節を痛がる様子がないか観察しましょう。
もし気になる症状がみられれば、早めに動物病院で診察を受けましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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