犬の心臓病とは?症状や種類を紹介
2022.12.12 (老犬ケア)
老犬がかかりやすい病気のひとつに「心臓病」があります。
心臓病は初期症状がないことが多いですが、進行すると突然死を招くこともあるため注意が必要です。
今回は、犬の心臓病について解説していきます。
■ 犬の心臓病の症状
心臓はきれいな血液を全身へ送り、よごれた血液を回収して肺に送る重要な役割があります。
心臓の構造や機能の異常により生じる病気の総称を「心臓病」と呼びます。
病気が進行するにしたがって次のような症状がみられます。
・食欲不振
・元気がない
・散歩を嫌がる
・動きが鈍い
・咳
・呼吸が浅い
・お腹が膨らむ
・チアノーゼ
・呼吸困難
・失神
初期症状は飼い主さんも気づきにくい場合が多いですが、進行すると命に関わることがあるため注意が必要です。
■ 犬の心臓病の種類
心臓病は、初期には心雑音以外の症状はありませんが、進行すると全身に送られる血液量が少なくなり、体中にさまざまな影響を及ぼします。
悪化すると突然死を招くこともあるため、早期発見・早期治療が大切です。
以下に犬に多い心臓病をいくつかご紹介します。
【僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)】
「僧帽弁」は左心房と左心室の間にある弁で、血液の逆流を防ぐ働きがあります。
「僧帽弁閉鎖不全症」は、この弁の機能が衰えて血液が心臓内で逆流してしまう病気です。進行すると、肺水腫をおこし咳や呼吸困難に陥り死亡してしまいます。特に老犬はかかりやすいと言われています。
【心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)】
「心室中隔欠損症」は左心室と右心室を隔てる壁に、生まれつき穴があいている状態です。血液が心臓内で逆流し心臓に負担がかかります。
穴が小さい場合は、自然に閉じることもありますが、必要に応じて手術を行います。
【フィラリア症】
「フィラリア症」は、蚊を介してフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が犬の体内に寄生することにより、心臓に機能障害が起こる病気です。
フィラリアの成虫は、心臓の右心室や肺動脈に寄生し、全身の血液循環を低下させます。進行すると体調が悪化し、命に関わることもあります。予防薬を投与しておきましょう。
【心筋症】
「心筋症」は、心臓の筋肉の機能が何らかの形で阻害されてしまうことで、心臓のポンプ機能がうまく働かず、全身の血液の循環が滞ってしまう病気です。
◾ まとめ
心臓病は、動物病院での健康診断で心雑音によって発見されることがほとんどです。初期症状がほとんど出ず、老犬の場合は加齢による変化との見分けがつきづらいため見過ごされることも多くあります。
早期発見・早期治療のために普段から愛犬の健康状態を観察し、定期的な健康診断をおすすめします。
症状が出てくる頃にはすでに進行していて命に関わる場合もあるため、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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