施設訪問記 Lien 〜りあん〜
2022.12.29
福岡県北九州市にある老犬老猫ホーム「Lien 〜りあん〜」を訪問し、オーナーの曾我部さんにお話を伺ってきました。
施設名の「lien」はフランス語で「絆」という意味を表す言葉です。曾我部さんとお母様が保護猫カフェとペットホテルを始めたことからスタートしました。
元々は自宅でお母様が保護猫活動をされていて、それを間近でみていた曾我部さんもその活動を引き継ぎ、10年以上活動を続けてきました。しかし預かる猫が多くなるにつれて自宅だけでは限界を感じ、4年前に親子で資格を取得して施設を作ることに。
普段は病院で看護師としてお勤めのお二人は入院患者さんが飼い猫や飼い犬の心配をしている姿を見ることが多かったため、保護猫カフェのほかにペットホテル・老犬老猫ホームを併設した施設をつくることにしました。
「老犬・老猫のお世話も、特殊な病気以外は基本的に人間と一緒」とのことで、人間の看護で培った技術は老犬・老猫の介護に活かせる部分も多いそうです。
人間と違う点としては、犬や猫は自分の症状を言葉で話せないので、普段から呼吸や排泄、食欲などの様子を注意深く見ることが大切といいます。
持病のある老犬や老猫も預かってもらえるということで、近隣の病院に入院する飼い主さんからのお問合せが多いとのこと。保護猫や保護犬の譲渡は県外からのお問い合わせも多いそうです。
飼い主さん側からのリクエストには柔軟に対応されていて、毎日昼間だけお預かりするデイサービス型の利用者さんもいます。
飼い主さん自身が高齢になってくると、体力的な問題からペットを飼うことに不安をおぼえてしまうこともあるかもしれませんが、人間にとってもペットにとっても刺激を与え合える存在は大切。
職業柄、多くの高齢者と関わる曾我部さんも「ご高齢になってもワンちゃん猫ちゃんは本当は飼っていた方がいいのかもしれないですね」といいます。
「介護の仕方が分からず困っているという方は多いと思いますが、なるべく飼い主さんと一緒に過ごせるようにアドバイスしたり、お世話が難しくなったらうちで預かったり、なんでも相談にのります」と力強いお言葉をいただきました。
「ここは利益や商売ではなく、プラスマイナスゼロくらいでやれたらいいねって思って始めたんです」という曾我部さん。最近では物資や募金で支援してくれる人も出てきて、猫カフェの利用者さんがおつりを募金として渡してくれることもあるそうです。
4年前に施設をオープンさせた当時はワンフロアだけで運営していましたが、だんだんお預かりする数が増え、今は1階がホテルとホームのフロア、2階が保護猫カフェになっています。
教員の免許を持っているスタッフがいるため、将来的には学童保育として子供を預かったり、高齢者のアニマルセラピーができるような施設にできたらという夢もあるとのこと。
今回の訪問では、曾我部さん親子の真摯な人柄に触れて、地域の方との絆やつながりが広がっている様子をお伺いすることができました。これからも人も動物も幸せに暮らせる場所がどんどん増えていって欲しいと感じた訪問となりました。
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