老犬と過ごす梅雨と夏 エアコンの活用法をご紹介
2023.06.21 (老犬ケア)
日本のほとんどの地域では、夏の湿度が80%前後にまで上ります。気温も梅雨が始まる6月から7月へと、平均して4℃前後上昇します。
梅雨や夏は犬にとって過ごしやすいとは言えない季節です。老犬は体温調節機能が低下するため、高温多湿のこの時期は苦手です。
そんなときに活用してほしいのがエアコンです。今回は、梅雨から夏にかけてのエアコンの活用方法についてご紹介します。
■ 梅雨から夏にかけてはエアコンが必須
犬の暮らしにエアコンが必須である理由は大きく2つあります。
1つは、全身で汗をかくことができないこと。2つ目は全身が被毛で覆われていることです。
犬は私たち人間に比べて汗腺が少なく、鼻や肉球に少しあるだけのため、体温調節が苦手です。
暑くなると口を開けて呼吸をし、よだれを気化させることで体温を逃します。しかし、湿度が高いと気化しにくいため、体温を下げるのが難しくなります。
気温が高くなくても湿度が高いと、熱中症の危険が生じるのです。
老犬は湿度や気圧の変化にも影響を受けやすいですから、できるだけ一定の気温と湿度を保つことが大切です。
■ 犬にとっての快適な気温や湿度は?
犬種や体格、個体によっても異なりますが、適温の目安は23℃から26℃。湿度は50%から60%です。
普段過ごす室内の温度や湿度で、ハァハァと呼吸が荒くなっていないか、逆に寒そうにしていないか、といった状態を観察し、ベストな状態を見極めることが大切です。
愛犬に合った環境を把握するには温湿度計を置いてチェックするのがおすすめです。
■ 快適にエアコンを使用するための注意点は?
快適にエアコンを使用するための注意点をいくつかご紹介します。
・気温がさほど高くなくても、湿度が高いときにはエアコンの除湿機能を活用する
・気温が上がってきた場合は、冷房機能で部屋の温度を調節する
・エアコンの設定温度は25℃〜29℃を目安にする(部屋の温度や犬の状況を見ながら変更するとよい)
・老犬は横になっていることが増えるため、寒くならないように注意
人と犬とでは体高に差があるため、体感温度にも差があります。冷気は低い場所に溜まるため、横になっていることが増える老犬には、寒くならないような注意が必要です。
サーキュレーターはエアコンで冷えた空気が床にたまらないよう、循環させることができます。風が直接犬に当たらないように注意して使用しましょう。
また「犬がいつも過ごす場所好きな場所に通気性のよいブランケットやクッションを置く」「涼しく過ごせる場所と暖かく過ごせる場所を選べるようにする」などの工夫をすると愛犬が自由に体温を調節でき快適に過ごせるでしょう。
◾ まとめ
暑い季節は、犬は体温を調節するために口を開けてハァハァと口を開けて呼吸します。
しかし、体力を使うため老犬には負担となります。体への負担を少しでも取り除いて、快適に過ごせる空間を作るようにしていきたいものです。
エアコンの除湿機能でも寒く感じるようなときは、除湿機を使うのもおすすめです。
エアコンを使っていると忘れがちなのがお部屋の換気。室内の冷えすぎを解消することもできますので、こまめに窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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