「施設訪問記 アニマルレストハウス」。【老犬ケア】

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施設訪問記 アニマルレストハウス

2023.11.24 

アニマルレストハウス和歌山県橋本市にある、老犬ホーム「アニマルレストハウス」を訪問し、オーナーの吉田さんにお話を伺ってきました。

紀伊山地を一望できる高台にあるアニマルレストハウスは、英国風ガーデン動物霊園「アニマルレストガーデン」に併設され、広いドッグランを備えた施設です。もともとは石材店を営んでいた吉田さんのお父様が22年前にこの場所で動物霊園を開いたところからスタートしました。

吉田さんは犬好きのお父様のもとで育ち、家に犬がいるのが当たり前という幼少期を過ごしていたそうです。大学生になってからは海外留学や途上国でのボランティアなどを経験し、その後この霊園を管理する立場になりました。
「動物はもちろん好きなんですが、私は飼い主さんとお話しするのが好きなんです」という吉田さん。これまでペットを亡くされたたくさんの飼い主さんのお話を聞いてこられました。

オーナーの吉田さん
ペットが亡くなる間際の大変な思いを引きずって、せっかくの思い出が悲しいものになってしまうという人も多く、飼い主さんが一人で頑張らなくても、もっとペットとの生活を楽しめるようなサポートをしてあげたいと感じたのが、老犬ホーム設立のきっかけになったといいます。
ご自身も愛犬の介護を経験し、寝たきりの愛犬を毎日職場に連れてくる日々を過ごしていたとのこと。自分の場合は一日中介護できる環境があったけれど、多くの飼い主さんは寝たきりの愛犬を家に残したまま仕事に出なければならず、気が気ではない思いをしているのではないかと実感しました。

「飼い主の責任」という言葉を耳にすることがあります。責任感が強いのは日本人の美徳でもありますが、一人で責任を背負いすぎずに、もっと飼い主さん自身の人生も楽しんで欲しい。そのためのサービスも、それがしっかりビジネスとして確立することも、もっとオープンになって欲しい。海外の様々な文化に触れてきた吉田さんならではの寛容さが施設をオープンした背景にあります。
吉田さんは「まだまだ老犬介護施設が自然に受け入れられるには壁を感じます」ともおっしゃいますが、必要としている方の手応えはすごく感じているとお話しくださいました。

眺めの良い広いテラス
2022年の11月にオープンした施設は、ガラス張りの開放的な空間に約40頭のお預かりスペースがあります。どこからでも様子をみることができる明るい雰囲気にこだわりました。
医療機関ではないため、病気を治療することはできませんが、できる限り悪い方向にいかないようにキープしたいという思いから、食事と運動の面でサポートしているとのこと。
動ける子には1日に2,3回運動する時間を作り、食事は施設内のキッチンで調理しています。
現在は老犬ホームの他にペットホテルやトリミングのサービスを提供していますが、今後はマッサージやお灸などを取り入れたり、敷地内で野菜を栽培して食事のメニューに取り入れることも計画中だそうです。

木の温もりのある開放的な空間です
「ここに来てくれた子は、絶対にまた来たくなる。家と同じようにリラックスできる場所にしたい」と、環境やサービスを整えながら日々試行錯誤中の吉田さん。飼い主さんも犬も安心して過ごせる場所を提供したいという気持ちを強く感じたインタビューとなりました。

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