転倒予防にも効果的!老犬のためのマッサージケア
2024.01.30 (老犬ケア)
立ち上がりがぎこちない、体を持ち上げにくそう、階段の上り下りが辛そう……
愛犬にそのような様子がみられるようになったら、筋力が低下しているサインかも知れません。
犬が年を取ってくると、運動量が減るため筋力が低下し、転倒のリスクが高まります。
ケガや骨折、最悪の場合は寝たきりの原因となる転倒を防ぐには、マッサージは有効な手段のひとつです。
今回は、犬の転倒を防ぐためのマッサージケアについてご紹介します。
■ 脚の老化が気になったらマッサージがおすすめ
犬は前脚よりも、後ろ脚から弱ってくると言われています。後ろ脚が弱くなると、歩行や立ち上がることが困難になり、寝たきりになるケースもあるため注意が必要です。
老化によって動かしにくくなった筋肉や関節をマッサージでほぐすことで、後ろ脚が動かしやすくなり筋力低下の予防につながります。
ただし、「椎間板ヘルニア」や関節の疾患、悪性腫瘍がある場合は、マッサージはせず動物病院を受診しましょう。
■ マッサージの効果
老犬にマッサージをすると、以下のような効果が期待できます。
【血流、体液の流れが良くなる】
血行が改善されると、食事の栄養が全身へ行き渡りやすくなり、老廃物の排出も促されます。体が温まる効果もあるため、冷えの解消も期待できます。
また、体液の流れが良くなると、浮腫みの軽減にもつながります。浮腫みによる神経への圧迫を減らすことで、痛みの軽減にもつながります。
【筋肉や関節がほぐれる】
血流が良くなることで、固まった筋肉や関節がほぐれます。筋肉がほぐれて体を動かしやすくなると、血流がさらに良くなるため、好循環となります。
【リラックスする】
マッサージでゆったりとした時間を一緒に過ごすと、犬も飼い主もリラックスします。これは、犬をなでることで「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌されるためと言われています。
リラックスすることによって免疫細胞が活発になり、免疫力アップも期待できます。
マッサージは飼い主さんにとって、犬の体の小さな変化に気づくことができるというメリットがあります。被毛に隠れて見えにくい傷や小さなイボなどを早期に発見することは、犬の健康を守ることにつながります。
■ 老犬へのマッサージのコツ
【マッサージをするタイミング】
運動や散歩の前後に、ウォームアップとクールダウンとして行うことがおすすめです。犬がリラックスしているタイミングもよいでしょう。
犬が緊張している様子のときはマッサージを避けましょう。
次のようなタイミングではマッサージを控えたほうが良いでしょう。
・犬の体に炎症が起きている場合
・飼い主さんの体調が良くない場合
・犬の食事の直後
【マッサージの方法】
まず初めに、お互いにリラックスできる環境を整え、マッサージをする人の手を温めます。マッサージを始める前は、優しく声をかけましょう。
力は入れず、肌を擦るように全身をほぐします。頭から背中を通り、しっぽにかけてゆっくりと行います。
次に、肉球や足先の指から足の付根に向かって、優しくもみほぐします。これで効いているのだろうか?と思うくらいの力加減がベストです。
最後に、足首を持ってゆっくりと関節を曲げ伸ばしして、関節をほぐします。
◾ 最後に
老犬になると、筋肉や関節が動かしにくくなるため、固まった筋肉や関節をマッサージによってほぐしてあげるとよいでしょう。いつまでも楽しく散歩ができるように、気長に地道に続けることが大切です。
ただし、マッサージは病気を治すものではないため、体調に気になる症状がみられたら獣医師に相談することをおすすめします。
転倒を防ぐためには、普段から犬が滑りにくい環境を整えることも大切です。柔らかいマットを敷く、足の裏の毛をカットする、爪を切るなどの対策をとり、犬を転倒から守りましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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