春の換毛期 老犬におすすめのケアをご紹介
2024.04.16 (老犬ケア)
愛犬とのお散歩で少し歩いただけでも汗ばむような日が増えてきました。そろそろ春の換毛期です。
犬の毛が生え替わる換毛期は、体温を調節して快適に過ごすために非常に大切な時期です。ダブルコートの被毛をもつ犬種(※)は年に2度あり、春から夏にかけての換毛は、暖かい冬毛が抜けます。
換毛のスピードは個体による差が大きくありますが、特に老犬は新陳代謝が落ちてくるため、換毛に数ヶ月かかることがあります。また、最近では快適な室内環境で過ごす犬が多いので、換毛時期がずれることもあるようです。
そのため、春に始まった換毛が初夏にかけて続き、熱中症や皮膚病のトラブルが起きることがあります。
今回は、春の換毛期におけるトラブルの原因や老犬におすすめのケアについてご紹介します。
※ダブルコートの犬種とは、風雨や紫外線などの外敵から身を守るオーバーコート(上毛)と、体の保温や保湿のための短く柔らかいアンダーコート(下毛)の2種類の被毛を持つ犬種。日本犬、コーギーやハスキー、ポメラニアンなど。
■ 春の換毛期に起こるトラブルの原因とは?
【急激な気温の上昇】
急激な気温の上昇は、換毛が長引いている老犬にとって、体温の調節に支障をきたします。抜けきらないアンダーコートに熱がこもり、体温を上昇させる危険があるのです。
体温の上昇が継続すると、熱中症のリスクが高まります。
【湿度の上昇】
梅雨に向かって湿度が上昇していくと、残ったアンダーコートに湿気がこもり、湿疹やかゆみの炎症が発生しやすくなります。また、アンダーコートに湿気がこもることによって、ノミやダニの温床にもなります。
■ 老犬の春の換毛期におすすめのケア
<こまめな優しいブラッシング>
老犬になると被毛のコシや量が減ります。皮膚も弱く敏感になってくるので、優しくブラッシングしてあげましょう。
こまめにブラッシングすることで古い毛が抜けやすくなり、血行が良くなります。皮膚の健康を保つためにも良い習慣となります。
<ぬるめシャンプーで優しくマッサージ>
シャンプーをすると、古い毛を落とすことができます。しかし、シャンプーが嫌いな犬にとっては頻繁なシャンプーは負担になるため配慮が必要です。シャンプーの回数を減らし、換毛期の終盤に、残りの被毛を除くようにすると良いでしょう。
お湯の温度もぬるめに、優しくマッサージするように行います。タオルドライは入念にしっかりと行い、ドライヤーの時間を短くして負担を軽くしてあげましょう。
■ まとめ
春の換毛期は、犬が快適に夏を迎えるためにとても重要です。老犬は換毛に時間がかかる場合があるため、こまめなブラッシングと優しいシャンプーで、古い毛を落としやすくするようにしましょう。
気温の変化が激しい季節の変わり目には、急激に気温が下がることもあります。そんなときは、ドッグウェアなどで体が冷えないようにしましょう。
また、老犬の抜け毛には注意が必要な場合もあります。1か所から素肌が見えるほどの脱毛がある場合は換毛ではなく病気の可能性もあります。気になる症状がみられたら動物病院に相談しましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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