老犬の歯石 予防のためのケアについてご紹介
2024.04.19 (老犬ケア)
愛犬とふれあっていると、口臭が気になったことはありませんか。そんな時に多い原因として、歯石があげられます。
老犬は歯石が蓄積すると病気の原因にもなります。今回は、老犬の歯石を予防する方法をご紹介いたします。
■ 歯石とは?
歯石はすぐにできるものではありません。食べかすなどの汚れが、口腔内の細菌が混ざり合い増殖した塊が歯垢となります。歯垢が溜まっていき、唾液に含まれるカルシウムやリンなどが付着して石灰化すると歯石に変化します。
歯垢の状態であれば簡単に取り除くことが可能ですが、歯石になってしまうと特殊な器具でないと除去が難しくなるため注意が必要です。
■ 犬の歯石の原因は?
犬の場合、食後1日で歯垢が発生し、3~5日程度で歯石に変化すると言われています。そのため、食後の歯磨きといったケア不足が原因で歯垢が残ると、結果的に歯石が増えてしまいます。
日々ケアを行なっていても歯石ができてしまう場合は、歯並びの悪さなどが原因で歯ブラシでは除去しきれていない場合もあります。
老犬は代謝が低下するので、唾液の分泌量も減る傾向があります。そのため、若い頃よりも歯石が付着しやすくなることがあります。歯石が付着するとより歯垢が付きやすくなり、歯周病を引き起こしやすいので注意が必要です。
■ 日々のケア方法
歯石を予防していくためには、まず歯垢を増やさないことが重要です。日々取り入れられるケア方法を紹介いたします。
【歯磨き】
歯垢が歯石になる前に除去することが、一番効果的な対処法になります。そのため毎日の歯磨きが重要です。
子犬の頃から、歯磨きとレニーングを行なっておくことで、老犬になってもスムーズにお手入れが可能となります。成犬や老犬から歯磨きをスタートするとなると、歯ブラシを怖がったり、口を触らせなかったりといったことが起こり、根気が必要になってしまいます。
老犬で歯磨きをスタートする場合、ガーゼや歯磨きシート、味のする歯磨きペーストといった取り入れやすい方法から段階を踏み、歯ブラシに挑戦するのがおすすめです。
【歯磨きガムなどを利用】
歯磨きガムは噛むことで歯垢除去や口臭抑制になるといわれています。味も多くの商品が出ており、飼い犬の嗜好に合ったものを見つけて取り入れてみましょう。
数日おきに与えるのではなく、毎日の習慣にすることでより効果が期待できます。よく与えっぱなしをしている飼い主さんもいらっしゃいますが、奥歯でガムを噛めるように支えてあげることが大切です。
奥歯の近くには唾液腺があり、唾液に含まれるカルシウムなどにより歯石がつきやすくなります。そこで、奥歯でしっかり噛ませてあげることで歯石を付着しにくくし、唾液の分泌も促し口腔内を清潔に保ちやすくなります。左右しっかりと噛ませてあげましょう。
【唾液の分泌を促す遊びや運動を取り入れる】
唾液は、口腔内の汚れを落としたり、細菌の増殖を抑制したりする効果があります。
ロープを噛ませて引っ張るといった遊びを取り入れることで、口腔内に刺激を与え唾液の分泌を促すことができます。遊ぶことで喉も乾くので、水もよく飲むようになると口腔内に残っていた歯垢も流されやすくなります。
適度な運動や遊びで代謝が上がると唾液を分泌しやすくなるため、口内環境の改善につながります。老犬になると活動量も減り、水分を摂取する量も減っていきがちですが、適度に遊びを混ぜながらケアをしてみてはいかがでしょうか。
■ まとめ
歯周病は放置すると、老犬になった際に治療が難しくなり、完治できない場合もあります。長く一緒に愛犬と過ごせるよう、日々のケアから心がけていくことが良いでしょう。歯磨きや遊びをスキンシップの一つとして取り入れながら、楽しく行なってみてはいかがでしょうか。
もし、炎症など口腔内の症状が出てしまった場合は自己判断せず、かかりつけの病院で相談することをおすすめします。日々の健康から気をつけて、愛犬と素敵な毎日を過ごしましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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