老犬のより良い睡眠のためのベッドマット選び
2024.06.26 (老犬ケア)
歳を重ねた愛犬の睡眠時間が増えてきたと感じることはありませんか?
老犬は若い頃に比べて寝ている時間が増え、1日の大半を寝床の上で過ごす犬もいます。
横になっている時間が増えても、愛犬には心地よく過ごしてほしいものです。
今回は、老犬の睡眠とベッドマットの選び方について、解説します。
■ 若い頃と比べて老犬の睡眠はどう変わる?
犬の睡眠時間の平均は、1日12〜15時間程度。これは日本人の平均睡眠時間といわれている7〜8時間の倍近くの時間を寝ているということになります。
これが老犬となるとさらに睡眠時間は長くなり、18〜19時間程度に達するといわれています。
犬の睡眠は「多相性睡眠」と呼ばれ、1日の中で何度も寝たり起きたりを繰り返します。老犬はそのサイクルが若い頃と比べて長くなり、移動せずに同じ場所で横になることが多くなります。
■ 寝ている時間が長くなったら注意することは?
愛犬が同じ場所で長く過ごすようになってきたら、どんなことに注意するとよいのでしょうか。
【血行不良や床ずれ】
動かずに横になる姿勢をとり続けることで、体の一部が圧迫され、血行不良が起こる可能性があります。
床ずれは、圧迫された時に血行が滞りやすい骨が皮膚に近い部位で起こりやすく、横になる時間が長ければ、寝たきりでなくても起こる可能性があります。
【関節を動かしにくくなる】
同じ姿勢を続けていると首や肩が痛くなり、人間でも身体が硬くなりますよね。
犬も同様で、同じ姿勢をとり続けることで筋肉が硬くなり、関節を動かしにくくなり、痛みを伴うこともあります。また、筋力の低下が進むと関節への負担が増え、起き上がることが難しくなることがあります。
■ 老犬にとって良いベッドやマットの条件とは?
○ 体圧分散性の高いマット
床ずれは体重が一か所に集中することで起こりやすくなります。体の圧を全体に分散させるように設計されたものを選ぶと良いでしょう。
体圧分散性のあるマットは一般的に、高反発のマットと低反発のマットがあり、高反発のマットは体が沈みにくいため身体を動かしやすく、寝返りを打ちやすいといわれています。
低反発のマットは身体全体を柔らかく包み込んでくれるので、こちらを好む老犬もいます。
○ 通気性がよく、洗えて清潔な状態を保てるもの
老犬は皮膚疾患やお漏らしのリスクがあるため、洗濯可能なマットが衛生的です。取り外し可能で防水性のあるカバーが良いでしょう。
○ 大きさにゆとりのあるもの
起き上がりやすさや寝返りのうちやすさ、そして安全性を考慮して、愛犬の寝る姿勢よりも大きいサイズを選びましょう。大きさにゆとりがあると、いざ愛犬に介護が必要になった時にケアをしやすく便利です。
■ 最後に
横になる時間が増える老犬のために、長く過ごすことになる場所を快適に整えることはとても大切です。
ただし、床ずれを防ぐためには、飼い主さんが定期的に体位を変えてあげることも必要です。そして、スキンシップを兼ねたマッサージで筋肉をほぐし、体を動かしやすいようにケアしてあげましょう。
(医療監修:獣医師 先崎直子)
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