「老犬のトイレ問題!解決のヒント」。【老犬ケア】

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老犬のトイレ問題!解決のヒント

2024.08.27 (老犬ケア)

散歩中の老犬
老犬になると、加齢に伴う膀胱や腎臓の機能低下や認知機能の衰えにより、頻尿や失禁などのトイレの失敗などが増えることがあります。
飼い主さんは掃除の手間が増え、愛犬もストレスを感じることが多くなるかもしれません。
そこで今回は、これらの老犬のトイレ問題に対する解決法について解説します。

■ 老犬のトイレ問題の原因

老犬になると以下のようなことが原因でトイレの失敗が増える場合があります。

・加齢による身体機能の低下
老犬になると筋力や関節の柔軟性が低下し、動作が鈍くなります。そのため、トイレに行きたいと感じても、間に合わずに失敗してしまうこともあります。
特に後肢の筋力が弱まることで立ち上がりにくくなり、トイレまでの移動が困難になることがあります。

・ホルモンの変化
老犬になるとホルモン変化により、ホルモン反応性尿失禁が見られることがあります。
また、糖尿病や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などの内分泌疾患で、水を多く飲むようになることから、排尿量、排尿回数が増え、トイレに行くのに間に合わず失敗することもあります。

・膀胱や腎臓の疾患
老犬の多くは、膀胱や腎臓の疾患にかかりやすくなります。例えば、膀胱炎や腎不全などは頻尿や失禁の原因となることがあります。
これらの疾患は早期発見と治療が重要で、症状が進行するにつれてトイレの失敗が増えることがあります。定期的な健康チェックを受け、疾患を早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
少しでも気になる症状があれば、獣医師に相談しましょう。

・認知機能の低下による混乱や忘却
認知機能の低下により、トイレの場所を忘れたり、トイレに行くタイミングを間違えたりすることがあります。特に認知症が進行すると、トイレの場所を認識できず、家の中のあちこちで排泄をしてしまうことがあります。このような場合には、飼い主さんによる適切なサポートと環境の工夫が必要です。

詳しい症状や対策についてはこちらのコラムをご覧ください。
» 老犬の尿漏れの原因は?対策とともに解説

■ 老犬のトイレ問題の兆候

愛犬のトイレ問題に対処するためには、以下の兆候を見逃さないことが大切です。

・頻尿や失禁の増加
老犬が以前より頻繁にトイレに行ったり、寝ている間に尿を漏らしたりする場合、膀胱や腎臓の疾患が原因の可能性があります。早期に獣医師の診断を受けましょう。

・トイレの場所を間違える
老犬が以前は正しくトイレを使っていたにも関わらず、突然トイレの場所を間違えるようになった場合、認知機能の低下が疑われます。飼い主さんがトイレの場所を見直し、トイレへの動線を簡単にする工夫が必要です。

・トイレ以外の場所での排泄の増加
老犬が家の中のあちこちで排泄するようになる場合、トイレの場所を認識できなくなっているか、身体機能の低下や病気の影響でトイレまで間に合わない可能性が考えられます。トイレの場所を変更する、トイレシートの数を増やすなどの対策をしましょう。

これらのような症状が見られたら、早期に獣医師に相談することで早期発見へと繋がり、潜んでいる病気の治療にも繋がるかもしれません。日頃から愛犬を観察することが大切です。

■ 日常生活でできる工夫

愛犬がトイレ問題を抱えている場合、以下の工夫をして愛犬が快適にストレスなく過ごせる環境を整えましょう。

・定期的な散歩と排泄の時間を決める
愛犬がまだ歩ける場合は、定期的な散歩も効果的です。散歩は排泄のリズムを整えるだけでなく、適度な運動によって筋力や関節の柔軟性を維持する助けにもなります。
また、毎日同じ時間に散歩に行くことで、排泄の時間を予測しやすくなり、トイレの失敗を減らすことができます。
朝夕の散歩に加え、特に老犬の場合は、昼間にも短い散歩を追加すると良いでしょう。愛犬も外に出ることで、刺激をもらいストレスの緩和にもなります。

・食事と水分摂取の管理
老犬になると食事や水分摂取もトイレ問題に影響する要素の1つです。食事はバランスの取れた高品質なフードを選び、規則正しく与えると良いでしょう。
また、水分摂取も適量の水を定期的に与えることで、尿の濃度を調整し、膀胱や腎臓の健康を保つことが可能です。食事と水分の摂取タイミングを一定にすることで、排泄のリズムを整えやすくなります。
もし、どれぐらいがいいのかわからなければ獣医師に相談して見ましょう。

・トイレへの動線を整える
愛犬がトイレへスムーズに移動できるように、トイレまでの動線を見直しましょう。
トイレの場所を見直す、障害物を取り除くのはもちろんのこと、床が滑りやすいのであれば滑りにくい工夫をしましょう。また、トイレを複数用意することも効果的です。

■ 介護用品の利用

愛犬の歩行が困難な場合、排泄の介助が必要な場合は、獣医師と相談しながら介護用品を活用しするのも良いでしょう。
おむつやマナーウェアの活用や防水シートやカーペットの使用を検討してみましょう。

排泄の介助についてはぜひこちらも参考にしてください。
» トイレ(排泄)の介護ノウハウ
» 老犬の排泄介助の方法とは?排泄を促す方法を解説

■ まとめ

頻尿や失禁などの老犬のトイレ問題は、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下、膀胱や腎臓の疾患が原因で起こります。
飼い主さんは、定期的な散歩や食事と水分摂取の管理、家の中の動線整理など、日常生活での工夫を取り入れることで、トイレ問題の改善を図ることが可能です。必要に応じて介護用品の利用も検討し、老犬が快適に過ごせるようサポートしていきましょう。

悩んだ際は、早期に獣医師に相談することで、飼い主もストレスを軽減でき、愛犬に寄り添うことができるでしょう。

(医療監修:獣医師 先崎直子

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